開業医のための保険診療の要点(巻頭)
本書のご使用にあたって
地域医療を支える開業医の役割は日常の診療だけでなく、医院の経営や労務管理、施設や機器の管理、連携医療機関や行政との協調など多岐にわたります。多忙を極める医療機関においても適正な保険診療を実施していくための一助として、健康保険関連法令や規則、診療報酬算定基準等の中から特に重要と思われる項目を取り纏めて本書を作成いたしました。日常の臨床現場で参考書としてご活用いただけましたら幸いです。
「Ⅰ 保険診療の基礎知識」では、診療科に関わらず保険診療を行う際に遵守しなければならない医療保険各法や診療録・レセプト作成のルール、さらにオンライン資格確認や指導・監査に関する情報を掲載しております。併せて日本医師会が医師の資質向上のために設ける各種制度についても掲載いたしました。
「Ⅱ 診療科別の基礎知識」では、各診療科でより実践的に診療を行う際に役立つよう、保険診療上特に留意すべき内容を診療録記載時における留意事項や診療報酬改定時に追加・変更のあった項目といったポイントに絞って整理しました。併せて、審査支払機関が公表している審査情報提供事例等もご覧いただけます。
「Ⅲ 開業医のための基礎知識」では、カルテ開示や個人情報保護といった開業医が知っておくべき事項に加え、今後さらに需要が増える在宅医療や訪問看護などについて整理すると共に、保険外診療(混合診療や選定療養)に関する情報を掲載しております。
さらに、巻末にそれぞれの診療科について専門的な情報を得る有効な手段として「各科医会」のご案内を掲載しております。入会のご参考としてください。
なお、診療報酬改定や医療保険講習会の開催といった医療保険に関する情報を東京都医師会ホームページに随時掲載しております。また、本書をWeb版に直したページも掲載しており、冊子内検索も可能ですので併せてご活用ください。この改定版の内容の掲載は令和7年春頃を予定しております。
この冊子の内容は、一般に公正で妥当とされている解釈を前提とするものであり、あくまで目安ですので、状況によって変更される可能性がありますことをご承知おきください。