平成30年度 東京都医師会の活動概要について

公益社団法人 東京都医師会
会長 尾﨑 治夫

はじめに

 平成30年度は東京都の保健医療計画、介護保険事業計画をはじめ団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向けた数々の計画が一新されスタートすることになります。保健医療計画では、事業計画の展開にあたり、従来の二次保健医療圏にこだわることなく、交通網が発達するなど東京の地域特性を生かした事業展開を柔軟に行っていくとして、我々が強く主張していた「事業推進区域」という概念が取り入れられました。また、東京都医師会が求めていた受動喫煙防止対策の強化、タバコ病ともいわれるCOPD対策の強化、介護予防の要であるフレイル対策の推進、訪日外国人医療の充実・強化についても計画の中に入れることができました。新たな保健医療計画を踏まえ、東京都医師会としての事業計画をしっかりと作成いたしました。

地域医療構想の進捗状況について

 各構想区域での調整会議はすでに複数回開催され、地域包括ケアワーキング部会も順調に活動しています。今後はメリハリをつけた公的病院と民間病院の役割分担が一つのキーポイントになると思っています。
 地域包括ケアシステムの構築にあたっては、2025年に5万人分の訪問診療が不足するといわれる中、在宅医療をしていないかかりつけ医を対象に、外来診療から在宅に移行せざるを得なくなった患者さんに引き続き医療を提供してもらえるよう、昨年9月より「東京在宅医療塾」を始めました。今後、資料等を提供させていただきますので、地区医師会でも同様の塾を開催していただき、2025年に向けて一人でも多くのかかりつけ医が、在宅医療に取り組んでいただけるようお願いしたいと思っています。
 一方、ほぼ在宅、時々入院という地域包括ケアの根幹を実現していくためには、逼迫する東京都の救急医療体制の中で、安定した高齢者搬送システムの構築が必須と考え、東京都医師会では病院救急車による搬送システムを提案し、東京都の協力も得て、葛飾区、八王子市、町田市でモデル事業を展開してきました。今年度からは、江戸川区、北区の2つの区が新たにこの事業に加わることになります。さらに、東京消防庁が一定期間使用した救急車を二次救急病院に譲渡する(当初は1年間で5台程度)ことが、小池知事のご理解のもと実現する運びになりましたので、病院救急車による高齢者搬送システムの、全都的展開に向けて、一歩ずつ進んでいる状況です。

健康教育に力を入れる

 巷には、怪しげな情報を含め健康情報があふれており、これから大人になっていく子供たちには、しっかりとした健康教育によりヘルスリテラシーを身に着け、正しい情報を選択し、正確な判断力をもとに、自分で健康を守れるようにしていくことが大切であると考えています。平成29年度から始まったがん教育をはじめ、タバコ、アルコール、薬物乱用、感染症、そして健診の意義や我が国の優れた医療制度など、東京都医師会がこれらのテキストを作成した上で、教育委員会の協力も得て、それらを用いて学校医が直接学校現場に出向いて健康教育を行うことを進めていこうと思っています。

2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーづくり

 2025年のさらに進んだ超高齢社会を迎える前に、少子高齢社会における東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機にレガシーとして、真の健康寿命延伸と健康格差の是正につながる次の施策を実現して、社会全体で健康になるという気運を醸成していくことが重要であると考えています。

 1. タバコ・フリー社会の確立
 2. 熱中症、感染症に対する医療体制の確立
 3. 外国人医療体制の確立
 4.「運動で健康になる」という意識改革
 5. 障害のある人と共存する社会全体のバリアフリー化

 レガシーは、自然にできるものではないので、ぜひ東京都医師会ならびに地区医師会を中心に健康面でのレガシーを作り上げることに全力を注いでいきたいと思っています。

 以上、平成30年度も確実に事業展開をしていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

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