開業医のための保険診療の要点(I. 保険診療の基礎知識)
[6] 指導料・医学管理料などの算定要件
「保険診療の理解のために(厚生労働省保険局医療課医療指導監査室)」には、医学管理について次のように記載されています。
「医科診療報酬点数表における医学管理等とは、処置や投薬等の物理的な技術料と異なり、医師による患者指導や医学的管理そのものを評価する診療報酬項目である。項目ごとの算定要件や算定回数制限など、請求上留意すべき事項についても知っておく必要があり、レセプトチェックの際等に十分確認する必要がある。」
1 指導料・医学管理料算定要件等
指導料・医学管理料について、「対象患者に対し、単に指導を行ったのみでは算定できない。指導内容、治療計画等診療録に記載すべき事項が、算定要件としてそれぞれの項目ごとに定められていることに留意する。」「医学管理料の算定対象となる状態にある患者に対し、請求事務担当者のみの判断で一律に請求を行う、いわゆる自動算定は、極めて不適切な請求行為であり、不正請求の温床となり得る。医学管理料の算定が可能か否かについて、算定要件(対象疾患、記載要件等)を満たしていることを主治医が自ら確認し、算定する旨を請求事務担当者に伝達する必要がある。」とあり、算定要件を守ること、事務担当者のみでの自動算定を行わないことが強調されています。
以下、主要な指導料・医学管理料について概要・注意点を記載します。
*各管理料等の算定及び施設基準の届出の際には、厚生労働省の告示、通知を熟読してください。
2 項目別説明(主要項目) ※特に注意すべき医学管理料、在宅療養指導管理料
(1) 情報通信機器を用いた場合の医学管理等
- 検査料等が包括されている医学管理等については、情報通信機器を用いた実施を評価の対象としない。
- ①以外の医学管理等については、以下に該当するものを除き、評価の対象とする。
- 入院中の患者に対して実施されるもの
- 救急医療として実施されるもの
- 検査等を実施しなければ医学管理として成立しないもの
- 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」において、実施不可とされているもの 医学管理等におけるオンライン診療と対面診療の対比については、本書「Ⅰ 5オンライン診療」をご参照ください。
(2) B000「特定疾患療養管理料」 届出不要
令和6年度の診療報酬改定において、対象疾患から糖尿病、高血圧性疾患が除外されました。脂質異常症については家族性高コレルテロール血症等の遺伝性疾患のみが対象となります。また、新たにアナフィラキシーとギラン・バレー症候群が追加されました。
特定疾患療養管理料は「厚生労働大臣が定める疾患(特定疾患)を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものである(厚生労働省通知)」とされています。かかりつけ医の技術料ともいえるもので、許可病床数が200床以上の病院においては算定することができません。
特定疾患療養管理料は、不整脈、喘息、胃潰瘍など厚生労働大臣が定める特定疾患に対して、計画的に服薬、運動、栄養などに関して具体的な指導を行った場合に算定できます。
そして「管理内容の要点を診療録に記載する」と定められています。
本指導料は初診の日から1か月以内は算定できません。
<注意点>
- 厚生労働大臣が定める特定疾患が「主病である」ことが必要です。対象疾患をよく確認してください。例えば、「胃潰瘍」「慢性胃炎」は対象疾患ですが「逆流性食道炎」は対象となっていません。また、鎮痛剤等に加えて胃薬を処方し「慢性胃炎」と診断した場合、傷病名に慢性胃炎があるからといって自動的に算定することは不可です。慢性胃炎を主病として治療・指導管理が行われていなければなりません。
- 対象疾患に対する治療が自らの医療機関で行われていること。患者が喘息であったとしても管理・治療が他の医療機関で行われている場合には算定できません。
- 対象疾患に対する指導が行われた場合にのみ月に2回まで算定できます。例えば喘息で通院中の患者が「発熱」を訴えて受診し解熱剤などを処方した場合、当日に喘息に対する診療、指導管理が行われていなければ算定することができません。再診の都度、自動的に算定できるものではありません。
- 患者に指導した内容を「具体的に」診療録に記載することが必要です。指導内容の記載がないままに自動的に算定することは不適切です。また電子カルテなどのテンプレートを利用して画一的に記載するのではなく、個々の患者に応じた指導をお願いします。例えば、喘息の患者への指導として「運動制限」と記載するだけでなく「激しい運動は避け、ウォーキング等を行うよう指導」など具体的な指導・記載を心掛けてください。
(3) B001・2「特定薬剤治療管理料1」(470点) 届出不要
特定の疾患(てんかん・気管支喘息・不整脈・躁うつ病など)の患者について投与薬剤の血中濃度を測定し、その結果に基づき当該薬剤の投与量を精密に管理した場合、月1回に限り算定できます。
<注意点>
- 対象の疾患とそれぞれ適応の薬剤が決められています。
- 採血料は管理料に含まれており別に算定することはできません。
- 薬剤の血中濃度、治療計画の要点を診療録に添付又は記載することが必要です。
- 初めての算定の場合については、頻回の血中濃度測定等が必要なことを勘案され、加算がついています。
- 4月目以降については、薬剤の使用も安定してくることが予測され、点数が半減するように設定されていますが、てんかん薬など点数が変わらないものもあります。
(4) B001・3「悪性腫瘍特異物質治療管理料」 届出不要
悪性腫瘍特異物質治療管理料は「悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、D009「腫瘍マーカー」検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する」とされています。そして「腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載する」と定められています。
<注意点>
- 採血料は管理料に含まれており別に算定することはできません。
- 悪性腫瘍の疑いの段階では算定することはできません。
- 悪性腫瘍の患者に腫瘍マーカー検査を行った場合、自動的に算定できるものではなく、診療録に以下の記載が必要です。
- 腫瘍マーカーの検査結果を記載する。
- 治療の計画を記載する。 例えば、乳がん術後でホルモン剤を処方中の患者に腫瘍マーカーを測定した場合、その検査数値を記載し、治療計画の要点について「腫瘍マーカー増加なし○○の内服を継続、△月にCT検査」など、適切に記載してください。
- 管理料で算定する場合に「初回月加算150点」という加算点数があります。初回月に尿中BTAのみ検査を行った場合を除き算定可能です。初回月以外は算定できません。
(5) B001・6「てんかん指導料」(250点) 届出不要
小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、その標榜する診療科を担当する医師が、てんかん(外傷性のものを含む)の患者であって入院中以外のものに対して、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回、算定することができます。
<注意点>
- 特定疾患療養管理料、B001・5「小児科療養指導料」(270点)、B001・18「小児悪性腫瘍患者指導管理料」(550点)を算定している患者については算定できません。
- 初診の日から1か月以内は算定できません。
- 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載しなければなりません。
(6) B001・7「難病外来指導管理料」(270点) 届出不要
国の指定する「難病」を主病とする患者に対して治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に、月1回、算定することができます。
本指導料は初診の日から1か月以内は算定できません。
<注意点>
- 厚生労働大臣が定める対象疾患が「主病である」ことが必要です。対象疾患をよく確認してください。
- 「難病医療制度」の公費認定を受けていない患者でも算定することができます。
- 指定されている難病を主病としていても、難病に対する治療や療養上必要な指導が行われていない場合には算定することができません。
- 特定疾患療養管理料・B001・8「皮膚科特定疾患指導管理料」との併算定はできません。
- 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載しなければなりません。
(7)B001・8「皮膚科特定疾患指導管理料」 届出不要
皮膚科又は皮膚泌尿器科を標榜する保険医療機関において、皮膚科又は皮膚泌尿器科を担当する医師が、別に厚生労働大臣が定める疾患に罹患している患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に月1回、算定することができます。
<注意点>
- 「皮膚科又は皮膚泌尿器科を専任する医師が本指導管理を行った場合に限り算定する」管理料です。
- 皮膚科特定疾患管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)でそれぞれ対象となる疾患が定められています。
- 初診の日から1か月以内は算定できません。
- 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載しなければなりません。
(8) B001・17「慢性疼痛疾患管理料」(130点) 届出不要
慢性疼痛疾患管理料は、変形性膝関節症、筋筋膜性腰痛症等の疼痛を主病とし、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に月1回、算定することができます。
<注意点>
- J118「介達牽引」(35点)、J118-2「矯正固定」(35点)、J118-3「変形機械矯正術」(35点)、J119「消炎鎮痛等処置」(35点)、J119-2「腰部又は胸部固定帯固定」(35点)、J119-3「低出力レーザー照射」(35点)、J119-4「肛門処置」(24点)を同一月内において、併算定することはできません。
- A001の「外来管理加算」(52点)を同一月内において、算定することはできません。
- 変形性関節症など慢性疾患であることが明らかな場合には初診時から算定が可能です。
- 急性腰痛や捻挫など急性疾患の場合には初診月の算定は不可の場合があります。
- 挫傷や打撲傷など「マッサージ又は器具等による療法」の適応とならないと思われる疾患での算定は不可の場合があります。
- 月途中に慢性疼痛疾患管理料算定対象疾患が発症し、本管理料を算定した場合には、算定初月に限って、上記①②にかかわらず、本管理料算定以前の、外来管理加算、消炎鎮痛等処置等を併せて算定することは可能です。
(9) B001・21「耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料」(150点) 届出不要
耳鼻咽喉科を標榜する保険医療機関において、耳鼻咽喉科を担当する医師が、厚生労働大臣が定める患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、療養上必要な指導を行った場合に、月1回、算定することができます。
対象となる患者は、滲出性中耳炎の15歳未満の患者で、発症から3か月以上遷延している若しくは当該管理料を算定する前の1年間において3回以上繰り返し発症している方です。
<注意点>
- 耳鼻咽喉科を専任する医師が当該指導管理を行った場合に限り算定する管理料です。
- 初診の日から1か月以内は算定できません。
- 診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載しなければなりません。
(10) B001-2「小児科外来診療料」 届出不要
小児科を標榜する医療機関(それ以外の要件はありません)において算定できます。包括(マルメ)での算定で、対象患者は6歳未満の患者となります。
<注意点>
- 処方箋を交付する場合と交付しない場合で点数が異なります(常に院内処方を行っている医療機関であったとしても、診療日に処方なしの場合は、処方箋の交付なしの点数になります。原則処方箋を交付する場合と院内処方の場合が同月に混在することは可能です)。
- 患者ごとに、あるいは月ごとに包括(小児外来診療料)か出来高かを選ぶことはできません。対象の患者すべてに小児科外来診療料を算定することになります。
(11) B001-2-9「地域包括診療料」 届出必要
脂質異常症、高血圧症、糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る)又は認知症のうち2以上の疾患を有する入院中の患者以外の患者に対して、当該患者の同意を得て、療養上必要な指導及び診療を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ患者1人につき月1回に限り算定します。
<注意点>
- 施設基準を満たさなければなりません。
- 初診時・訪問診療時(往診含む)では算定できません。
- 原則として院内処方となります(24時間対応の薬局と連携する場合は院外処方が可)。
- 通常の検査・画像診断・処置は包括となります。
- 患者ごとに担当医を決める必要があります。担当医以外による診察の場合、算定することはできません。
- 担当医は「慢性疾患の指導に係る適切な研修」を修了していることが必要です。
*慢性疾患の指導に係る適切な研修
対象となる研修は「日本医師会生涯教育制度に係る研修(主催:日本医師会)」を継続的に2年間で通算20時間以上、修了する必要があります。
講習の中にはカリキュラムコード「29:認知機能の障害」「74:高血圧症」「75:脂質異常」「76:糖尿病」を含み、それぞれ1時間以上の研修を受講しなければなりません(ほか、服薬管理、健康相談、介護保険、禁煙指導、在宅医療等の主治医機能に関する内容が適切に含まれていること)。
(12) B001-2-11「小児かかりつけ診療料」 届出必要
小児かかりつけ診療料は、かかりつけ医として、患者の同意を得た上で、緊急時や明らかに専門外の場合等を除き継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、1人の患者につき1か所の保険医療機関が算定できます。
当該保険医療機関を4回以上受診(予防接種の実施等を目的とした保険外のものを含む)した未就学児(6歳以上の患者にあっては、6歳未満から小児かかりつけ診療料を算定しているものに限る)の患者が対象です。
<注意点>
- 施設基準を満たさなければなりません。
- 小児かかりつけ診療料1と小児かかりつけ診療料2があり、施設基準、点数が異なります。
(13) 小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料における「小児抗菌薬適正使用支援加算」(80点) 届出不要
小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料を算定している医療機関の場合、「小児抗菌薬適正使用支援加算」を算定することができます。対象患者は「急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎又は急性下痢症により受診した患者のうち、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しない患者」であり、療養上必要な指導及び検査結果の説明、文書による説明内容の提供が求められ、感染症にかかる研修会等に定期的に参加していることが必要です。
<注意点>
- 施設基準を満たさなければなりません(届出は不要です)。
- 「感染症にかかる研修会等」とは、小児科や内科など各科あるいは感染症関連の学会や医師会等で行われる学術講演会などで年1回以上、参加していることが求められています。
- インフルエンザが確定あるいは疑いの患者及び新型コロナが確定あるいは疑いの患者には算定できません。
- 小児科を担当する専任の医師が診療を行った初診時に、月に1回に限り算定することができます。
- 小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料に対する加算です。年齢に注意してください。
- 点眼薬や軟膏に含まれる抗菌薬の処方に対する算定は可能です。
(14) B001-3「生活習慣病管理料(Ⅰ)」、B001-3-3「生活習慣病管理料(Ⅱ)」(333点) 届出不要
令和6年度診療報酬改定において、生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設に伴い、従来のものは生活習慣病管理料(Ⅰ)に名称変更されました。生活習慣病管理料(Ⅱ)は、検査・注射・病理診断の費用は含まれていません。また、併算定できる医学管理料等の種類も異なります。
脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者に対して、治療計画を策定し生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定できます。
<注意点>
- 施設基準を満たさなければなりません(届出は不要です)。
- 患者に対して治療計画書により説明を行い当該計画書に患者の署名を受ける必要があります。治療計画の策定には「生活習慣病 療養計画書」が定められています。 (図2参照)
- 交付した治療計画書の写しは診療録に添付しておくことが必要です。
- 治療計画書は患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えありません。また、血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合や、電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合は、療養計画書の血液検査項目の記載を省略しても差し支えありません。
当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましいとされています。 - 治療計画書の交付は内容に変更がない場合においても、患者又はその家族等から求めがあった場合に交付するものとして、概ね4月に1回以上は交付します。
- A000「初診料」(291点)を算定した日が属する月においては、算定できません。
- 糖尿病を主病とする場合、在宅自己注射指導管理料を算定している患者には算定できません。
- B000「特定疾患療養管理料」をはじめとする各種の医学管理等は、所定点数に含まれ算定できません(一部、除外があります。(Ⅰ)と(Ⅱ)で除外される医学管理等が違います)。また、(Ⅰ)は検査、注射、病理診断の費用も算定できません。
<届出>
外来データ提出加算(50点)を算定する場合は地方厚生局への届け出が必要です。
(15) B001-3-2「ニコチン依存症管理料」 届出必要
入院中の患者以外の患者に対し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会及び日本呼吸器学会の承認を得たものに限る)に沿って初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定することができます。
<注意点>
- 施設基準を満たさなければなりません。
- 5回の受診を一連で算定する方法と受診ごとに算定する方法があります。
- 2回目から4回目の診療を対面で行う方法と情報通信機器を使用する方法があります。
- 算定対象となる患者については何点かの条件があります。
- 加熱式たばこの喫煙者も対象となります。
- 35歳未満の患者については喫煙本数×年数の制限はありません。
- 治療管理の要点を診療録に記載しなければなりません。
- 傷病名として「ニコチン依存症」が必要です。
- 再度の算定は初回の算定日より起算して1年を超えた日からでなければできません。
- 算定の実績を地方厚生局へ報告する必要があります。
(16) 診療情報提供料
- B009「診療情報提供料(Ⅰ)」(250点) 届出不要
診療に基づき、患者の同意を得て、診療状況を示す「診療情報提供書」を添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先の医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定できます。●区市町村又は指定居宅介護支援業者等に対し、患者の同意を得て診療状況を示す「診療情報提供書」を添えて患者の紹介を行った場合も算定可。●精神障害者である患者又は家族等の同意を得て、精神障害者施設等へ診療状況を示す「診療情報提供書」を添えて患者の紹介を行った場合も算定可。●小児慢性特定疾病医療支援の対象である患者、障害児である患者又はアナフィラキシーの既往歴のある患者若しくは食物アレルギー患者について、患者又はその家族等の同意を得て診療状況を示す「診療情報提供書」を添えて、当該患者が学校生活を送るに当たり必要な情報を、学校医等に対し提供した場合も算定可。ただし、当該保険医療機関の主治医と学校医等が同一の場合は算定できない。●診療情報提供書には紹介先の医療機関名等の記載がなければならない。●紹介元医療機関への単なる返事など、受診行動を伴わない情報提供は算定できない。●当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合や、市町村等が開設主体である保険医療機関が当該市町村等に対して情報提供を行った場合は算定できない。「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。
- 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。
a 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合
b 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合
c 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合
d 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10分の3を超える場合
e aからdまでに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る) - 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。
- 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。
a 事実上婚姻関係と同様の事情にある者
b 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
c a又はbに掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの
- 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。
- B010「診療情報提供料(Ⅱ)」(500点) 届出不要
治療法の選択等に関して、別の医療機関の医師の意見を求める患者の要望(セカンド・オピニオン)により、治療計画、検査結果等、別の医療機関で必要な情報を添付して「診療情報提供書」を患者に提供し、別の医療機関による医師の助言を得るための支援を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定できます。 - B011「連携強化診療情報提供料」(150点) 届出不要
他の医療機関等から紹介された患者に対して、紹介元の医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療情報の提供を行った場合、患者1人につき提供する保険医療機関ごとに月1回に限り算定できます。●地域の診療所等が「紹介受診重点医療機関」に対して患者の紹介を行い、紹介先の「紹介受診重点医療機関」において、紹介元の診療所等からの求めに応じて、診療情報を提供した場合についても算定可。●指定難病患者又はてんかん患者(当該疾病が疑われる患者を含む)を専門の医療機関に紹介し、紹介元の診療所等からの求めに応じて、診療情報を提供した場合についても算定可。

(17) B013「療養費同意書交付料」(100点) 届出不要
主治の医師が、診察に基づき、療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうの施術に係る同意書又は診断書(以下「同意書等」という)を交付した場合に算定できます。
<注意点>
- 同意書等の病名によっては施術の対象とはなりません。
(18) C101「在宅自己注射指導管理料」 届出不要
厚生労働大臣が定める注射薬(インスリン等の糖尿病治療剤、骨粗鬆症に対する注射薬剤、アナフィラキシーに対するアドレナリン製剤など)の自己注射を行っている患者に対して、自己注射に関する指導管理を行った場合に算定することができます。当該医師が療養上必要な事項について適正な注意及び指導を行った上で、当該患者の医学管理を十分に行い、かつ、各在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置に関する指導等を行い、併せて必要かつ十分な量の衛生材料又は保険医療材料を支給した場合に算定する、とされています。
<注意点>
- 月の注射回数が27回以下と28回以上で点数が異なります。
- 初回の指導を行った月から3月以内は、導入初期加算(580点)が算定できます。
- 在宅自己注射の導入前に2回以上の外来等によって十分な指導を行った場合に限り算定する(アドレナリン製剤を除く)とされています。他医からの引継ぎで初診時から算定する場合などにはレセプトに症状詳記を記載するなどの注意が必要です。
- 指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付することとされています。
- C151「注入器加算」(300点)やC153「注入器用注射針加算」は、「院内から注入器や注射針を処方した場合」に算定できる点数です。院外処方で注入器や注射針を処方した場合は、これらの加算点数は算定できません。
- 消毒用アルコール綿や絆創膏などの衛生材料は指導料に含まれ別に算定することはできません。
- 院外処方で「注射針のみ」の処方はできません。









