コラム「産業保健のさんぽみち」

2017年6月7日(水曜日)

担当理事となって思うこと

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◆産業保健活動に参加して

 北多摩医師会公衆衛生担当理事として平成25年度より、産業保健委員会に参加させて頂いております平野功と申します。所属地区医師会は清瀬市医師会で、医師会長を務め、超多忙な日々を過ごしています。私は産業医ではありませんので、そぐわない表現などありましたらご容赦ください。

 産業医活動を拝見し、最初に思いましたのは、非常に熱心な先生方によって、ボランティア的、犠牲的な活動を長年にわたり辛抱に辛抱を重ねて行われて来ているということでした。行政はその辺り、医師の良心を上手く使いながら、細く長くコントロールしている印象です。その中で、単年度予算、産業医離れ、度重なる制度の見直しなど枚挙にいとまのない問題点を持ちながら、地区医師会の関心度が低いという現実があります。しかしながら、その他の健診事業と同じく、診療報酬と別の財源は、医療費削減が行われる以上、今後もしっかりと守っていく必要があると強く感じます。産業医活動は予防医学、介護予防と、特殊疾患など様々な要素を含み、むしろ有病率の高い学校健診ではないかと認識を改めました。

◆地区医師会の役目について

 では地区医師会の役目は何か? 産業医の再発掘、広報活動、介護、医療従事者の産業医活動などすぐにでも出来ることをやるべきです。介護予防、地域包括ケア、と叫ぶ前に、まだ食い止められる世代に力を入れていくということが求められており、それこそが産業医活動の真骨頂と思います。産業医の再発掘は、在宅に踏み出す医師を育てるよりやり易く感じます。我々、医療機関収入のポートフォリオを考えると、日常診療、自由診療、産業医活動、地域保健活動、在宅医療など、多彩な診療体制が必要です。このようなリスクヘッジが本当に必要になった時、我々はこの世に存在しないかもしれませんが、そんな時節になったかな?と思いながら過ごしています。

東京都医師会産業保健委員会委員 平野 功(平野クリニック) 所属医師会:北多摩医師会

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