コラム「産業保健のさんぽみち」

2017年6月7日(水曜日)

定期健康診断と自覚症状

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◆定期健康診断及び事後指導の役目

 定期健康診断はご存知のとおり毎年実施されます。実施主体は事業者であり、結果は従業員に通知しなければなりません。結果の保存期間は5年間です。その結果を受け事業者は従業員に対し措置(通常勤務可、就業制限、就業禁止)を行います。産業医は定期健康診断の結果に基づき意見を事業者に述べることになっています。  

 したがって、定期健康診断の結果に対し、健診医療機関が行う医学的指導(異常所見なし、要再検、要精密検査、要受診など)、事業者が行う産業保健的指導、措置がなされます。

◆顔が見えない検査結果で判断する難しさ  

 先日、私が担当している事業所の定期健康診断が行われ、その結果を診ていました。その中で、自覚症状欄に、「血尿、不正出血」とあるのに、総合判定に、「A、異常なし、」と書かれている一例を見つけました。採血、検尿、心電図、胸部レントゲンなどは正常範囲内でした。不審に思い健診医療機関に電話したところ、担当者は、「当診療所の判定は検査結果のみを見て、行われています。」とのこと。それはおかしいので担当のお医者さんと話をさせて欲しいとお願いしたところ、今日はいないので、明日電話します。と、言われました。後日、事業所に健診部門の責任医師からメールが届きました。それによると、「総合判定は自覚症状も含め適正に行っている。今回のケースについては、担当医が問診の結果問題なしと判断したと思う。」とのことでした。  

 正直、これをそのまま信じてよいものか?健診医療機関を変更すべきなのか?悩んでいるとこです。先生ならどうします?

◆限られた検査結果から読み取るべきこと

 定期健康診断の項目は法律で決まっています。自覚症状も入っています。結果を診る時、つい検査データのみに気が行ってしまいがちです。うわさで、自覚症状に「眠れない、仕事がつらい、」と書かれてあったのを見落とし、面談をせず、その社員さんが自殺した後、問題になったケースもあったそうです。日常業務はつい流れ作業になりがちですので、落とし穴に気を付けましょう。                  

東京都医師会産業保健委員会委員 高山 俊政(高山医院) 所属医師会:三鷹市医師会

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