記者会見(令和2年9月17日開催)


1.特措法の問題点を補う条例改正案を注視しながら感染再拡大に対処

 ① メリハリの効いた医療提供体制について
 ② インフルエンザ、新型コロナウイルス同時流行時の診療体制について
 ③ 高齢者対策の問題点について(特にフレイル対策を中心に)
 ④ 東京のGo Toキャンペーンについて


<尾﨑 治夫 東京都医師会長>

尾﨑会長は、9月の4連休や10月からGo Toトラベルキャンペーンに東京都が追加されることで全国に人が移動し、再び感染が拡大する可能性があると懸念を示した。

また、東京をGo Toトラベルに追加する場合は段階的に状況を見ながら実施するべきだとして「第1段階は都内や隣県でのマイクロツーリズムから始め、第2段階で旅行者や宿泊施設が感染予防策を徹底し、状況に応じてPCR検査を用いるなど新たな工夫をしながら訪れる範囲を段階的に広げてはどうか」と提案した。

イベント開催制限の緩和についても「心配しているのはイベントそのものよりも、帰りに集まって飲みに行ってしまうことなので、当分の間はなるべく真っ直ぐ帰ってほしい」と述べた。

 


<猪口 正孝 副会長>

猪口副会長は、入院と宿泊療養、自宅療養の判断基準を都内で統一し、メリハリのある医療提供体制を確立したいと述べた。

現在は新型コロナ患者を「軽症」「中等症」「重症」と分類しているが、軽症であっても急変する事例がある。糖尿病や肥満、高血圧などの重症化リスクを踏まえた判断基準が示されているが、保健所の設置主体が異なるためなかなか統一された基準にならない。

「医療機関は疲弊したままなので、インフルエンザとの同時流行が起こった場合、このまま統一性のない戦い方をしていると医療提供体制がもたなくなってしまう。東京都、保健所、医師会が連携して効率的に統一した基準で戦えるよう備えたい」と述べた。

 


<角田 徹 副会長>

角田副会長は、都民に向けて医療機関などへのかかり方の目安を示すとともに、受診などを希望する場合は、まずかかりつけ医に電話で相談するよう改めて呼びかけた。

さらに、「医療機関を受診することで感染するのではないかとの不安もあるようだが、外来においてクラスターが発生した例はほぼないので、必要な人はしっかり受診してほしい」と述べた。また、8月末で1500カ所を超える医療機関で唾液によるPCR検査ができるようになったことを報告した。

 


<平川 博之 副会長>

平川副会長は、「高齢者は自粛によって外出の頻度が減り、手足の筋肉量や握力の低下などがみられ、人とのつながりや社会参加も減っている。また、介護保険サービスの事業縮小や休止、運動・体操教室、認知症カフェなどが利用できなくなった結果、身体機能の低下や不定愁訴、精神面での不安定さが目立つようになるなどの影響が出ている。過度な自粛ではなく、正しい知識を持ち、高齢者が感染に注意して外に出られるよう、かかりつけ医がそっと後押しできるようにしたい」として、工夫しながら地域活動を再開できるよう高齢者のフレイル対策を提案した。

※本会見は、発言者のみマスクをはずして行いました。


記者会見資料


会見の模様(YouTube)


○定例記者会見に関するお問い合わせ先:広報学術情報課

  • 東京都医師会 定例記者会見
  • 元気がいいね
  • TMA近未来医療会議
PAGE TOP