災害時における医療保険制度や公費負担医療制度、介護保険制度の取扱い

 各地で地震や台風、大雪といった様々な自然災害が発生した際、一般的に以下のような取扱いとなります。都度、厚生労働省や都道府県等から各種通知が発出されますのでご確認の上、ご対応ください。それぞれの災害についての詳細は以下のサイト等で確認することができます。


 

医療保険制度

被災に伴いマイナ保険証又は資格確認書等(有効期間内の被保険者証を含む)を紛失又は自宅等に残して避難している方は、次の事項を医療機関等にお伝えいただければ、保険証等がなくても保険診療を受けることができます
 1.氏名
 2.生年月日
 3.連絡先(電話番号等)
 4.加入している医療保険者が分かる情報
  (被用者保険の場合は事業所名、国民健康保険の場合は住所及び組合名、後期高齢者医療制度の場合は住所)

【医療機関の対応】
被災した患者の保険資格が確認できない場合、電子レセプトの記録に係る留意事項に基づき、次のようにレセプト請求を行うことになります。

  • 「受診時に確認した被保険者の事業所」や「過去に受診した医療機関」などに問い合わせて、可能な限りレセプトに保険者(健保組合など)を特定し、記載する
  • 保険者を特定できた場合には保険者番号や記号・番号を所定欄に記入する ※保険者番号や記号・番号を確認できない場合はレセプトの欄外上部に赤色で不詳と記載する
  • 保険者を特定できない場合には、「住所または事業所名」「連絡先」などをレセプトの欄外上部に記載し、支払基金か国保連のいずれかに提出する。

さらに、以下の(1)と(2)の両方にあてはまる場合、診療や調剤、訪問看護等に係る窓口での一部負担金等の支払を不要とする減免措置が設定されます。
 (1) 次のいずれかの保険者に加入している災害救助法の適用市町村の住民
  ・災害救助法適用市町村の一部の市町村国保
  ・災害救助法適用の市町村が所在する都道府県の後期高齢者医療
  ・協会けんぽ、一部の健保組合・国保組合
 (2) 次のいずれかに該当することを申し出た方
  ・住家の全半壊、全半焼、床上浸水またはこれに準ずる被災をしたこと ※口頭での申告で可、罹災証明書の提示は不要
  ・主たる生計維持者が死亡した、または重篤な傷病を負ったこと
  ・主たる生計維持者が行方不明であること
  ・主たる生計維持者が事業を廃止・休止したこと
  ・主たる生計維持者が失職し、現在収入がないこと

【医療機関の対応】
被災した患者が減免措置対象の場合、電子レセプトの記録に係る留意事項に基づき、次のようにレセプト請求を行うことになります。

  • 窓口で患者から申し立てがあった場合には、一部負担金等の支払を受け取る必要はない
  • レセプト請求の際は、一部負担金等の額も含めた全額を請求する ※患者の一部負担金は「0円」で請求
  • 減免措置に係るレセプトは欄外上部に赤色で災1を記載する ※減免措置に係る診療とそれ以外が混在する場合は災2を記載する
  • 保険者番号や記号・番号を確認できない場合、前項同様にレセプトの欄外上部に赤色で不詳と記載する

 

公費負担医療制度

公費負担医療(難病や生活保護、公害など)の医療券等の紛失や自宅に残して避難しているため医療機関の窓口で提示できない場合でも、被災者は以下1~4(公害認定疾病、水俣病、石綿救済法指定疾病の場合は1~5)の申し出により受診できます。
また、緊急の場合には、指定医療機関以外の医療機関でも受診できます。
 1.各制度の対象者である申し出
 2.氏名
 3.生年月日
 4.住所等連絡先を確認できるもの
 5.手帳の交付を行った自治体名又は機関名(※公害認定疾病、水俣病、石綿救済法指定疾病の場合)

【医療機関の対応】
請求の際、各制度により請求方法や請求先が異なりますので、[各制度における請求の取扱い](東京都医師会「公費負担医療の手引」から抜粋)を併せてご参照ください。

 

介護保険制度

被災に伴い介護保険証を紛失又は自宅等に残して避難している方は、次の事項を介護保険施設等にお伝えいただければ、介護保険証がなくてもサービスを受けることができます。居宅サービスを受けられている方については、自宅以外の場所(避難所や避難先の家庭、旅館等)で生活している場合でも必要なサービスが受けられるよう区市町村が柔軟な対応を行います。
 1.氏名
 2.住所
 3.生年月日
 4.負担割合

被災のため支払が困難な方には区市町村の判断で「利用者負担の減免」、「保険料の減免や徴収の猶予」といった措置が設けられます。

なお、要介護認定等については、「新規申請より前であっても区市町村の判断でサービスを受けられる」、「期限内に更新申請ができなかった場合でも引き続きサービスを受けられる」といった取扱が行われます。

【介護保険施設等の対応】

・被災された利用者より介護保険証等の提示がない場合でも、区市町村から保険給付費相当額を直接受け取ることができます。(利用者に一時的な10割負担をお願いする必要はありません)
・被災により他の市町村に避難した方が新たに介護が必要となった場合、避難先の区市町村に連絡をしてください。(避難先と避難元の区市町村の間で適宜連携が行われます)
・災害等により定員超過利用を行った場合も特例的に所定単位数の減算は行われず、通所介護費等の算定方法にかかわらず所定の介護サービス費の対象となります。(特定施設入居者生活介護も同様)
 ※被災のため職員の確保が困難な場合も同様に所定単位数の減算は行われません。
・区市町村の判断で柔軟な取り扱いが行われることがあります。

医療保険

医療保険に関するお問い合わせ東京都医師会 医療保険課
電話:03-3294-8821(代)
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