産業医の手引き<ダイジェスト>
2章:産業医活動に役立つ産業保健機関や専門職との連携

1 産業医のキャリア・クラフティング

池内 龍太郎

要旨

産業医資格に上乗せする形で産業医活動に活かせる可能性のある資格や認定について解説する。

Ⅰ.産業保健活動に関連のある資格・認定など

(1)専門研修会:産業保健に関する実践的講習(通称:OHAS)、産業医プロフェッショナルコース(通称:Pコース)などがあり、内容はハイレベルなベテラン向けで日本産業衛生学会の専門医を目指す場合には大変有用な研修会である。

(2)学会認定資格:日本産業衛生学会認定専門医・指導医、社会医学系専門医協会認定専門医・指導医、日本公衆衛生学会認定専門家、日本人間ドック学会認定人間ドック健診認定医・専門医、日本職業災害医学会認定労災補償指導医・海外勤務健康管理指導者、日本渡航医学会認定渡航医学認定医、日本旅行医学会認定旅行医学認定医、日本抗加齢医学認定アンチエイジング専門医などさまざまなものがある。これらの取得条件として、学会員であることが前提で、求められる実務経験を積むとともに認定試験で合格する必要がある。

(3)国家資格・公的資格:労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、臨床心理士、公認心理師、作業環境測定士、建築物環境衛生管理技術者、臭気判定士などがあり、法令などに定められた国家資格・公的資格のため、実務経験とともに資格試験に合格して名乗ることができる。

(4)協会・団体などの認定資格:オキュペイショナルハイジニスト、日本医師会認定健康スポーツ医、日本糖尿病学会登録医・療養指導医、THP心理相談員研修などがあり、各協会や団体が実施する研修会を受講(修了試験があるものもある)して取得できる。

(5)大学院等:修士、学位(Ph.D)、MPH(Master of Public Health)、DPH(Doctor of Public Health)、MBA(Master of Business Administration)などがあり、国内外の指定大学や研究機関において1〜4年間、研究に従事し研究論文などが審査で認められる必要がある。

(6)プライマリケアプラス:BLS、ACLS、PFA、BLSOなどがあり、講習を受講することで取得できる。

(7)労働安全衛生マネージメントシステム関連:マネージメントシステムリーダー研修、リスクアセスメント担当者研修、システム監査担当者研修、OHSAS18001審査員研修(労働安全衛生アセスメントシリーズ)があり、数日から数週間の研修を受講することで取得できる。

法令・制度等

安衛法令・規則、作業環境測定法、日本産業衛生学会専門医制度、日本社会医学系専門医制度、日本公衆衛生学会公衆衛生専門家制度、日本医師会認定健康スポーツ医制度

キーワード

OHAS(オーハス)、産業医プロフェッショナルコース(Pコース)、日本産業衛生学会認定専門医、社会医学系専門医協会認定専門医、日本公衆衛生学会公衆衛生専門家、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、臨床心理士、公認心理師、作業環境測定士、オキュペイショナルハイジニスト、日本医師会認定健康スポーツ医、修士、学位(Ph.D)、MBA、メンタルヘルス法務主任者

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