2026年1月1日(木曜日)

年頭所感 東京都医師会長 尾﨑治夫

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公益社団法人 東京都医師会
会長 尾﨑 治夫

 

地域医療の充実、救急医療の強化、予防医療の推進を3つの柱に

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
この原稿を書いている時点では、補正予算による医療・介護業界への補助の程度や、令和8年度の診療報酬の改定率などはっきりしていませんが、高市政権にしっかりとした現状認識のもと、医療・介護業界の危機に対応していただけることを祈りながら書いています。
新たな年、令和8年に目指す東京都医師会の医療政策を3つにまとめて、新年の挨拶にしたいと思います。

  1. 地域に必要な医療・介護を守り、地域包括ケアネットワークの更なる充実を図る
  2. かかりつけ医機能の充実を医師会側から率先して図りつつ、二次救急病院、診療所、在宅医療など地域の多職種との協働を一体的に進めていきます。家族介護力のない独居や、高齢夫婦のみの世帯が増える中、孤立させないような仕組みをしっかり作ります。
    仕組みづくりに尽力している医療・介護施設が確実に生き残れるよう、国の支援策が十分でなければ、東京都とも連携して更なる支援を求めるなど、都民の医療・介護を守るため力を注いでいきます。東京総合医療ネットワークの一層の拡大と進化も、かかりつけ医の情報共有などにも必須となりますので、より多くの病院と診療所に参加していただけるよう進めていきます。

  3. 救急医療と災害への対応強化
  4. 高齢者救急への対応

    救急要請は年々増えています。特に高齢者救急が問題で、軽症例が多いことも特徴です。夜間不安になってつい呼んでしまう、そういったケースも多いようです。東京都と一緒に取り組んできた在宅医療推進強化事業は、多職種が連携して地域の高齢者を24時間見守る体制で、こうした施策が充実すると、多くの高齢者が安心して暮らせるようになり、救急車を呼ぶ頻度も減ることが期待されます。♯7119も充実してきており、適正な利用についても、普及啓発に努めていきたいと思っています。

    循環器疾患(脳卒中・心臓病)救急の充実

    心臓病については、すでに関係医療機関同士の協力によって、CCUネットワーク、急性大動脈スーパーネットワークができており、心臓病の待ったなしの救急に対応可能な仕組みが構築されています。一方、急性期の脳卒中、特に脳梗塞に対応できる医療機関は、血栓溶解療法についてはすでに多くの病院が手を挙げているものの、もう一つの治療の柱である血栓回収療法に対応できる施設はまだまだ少なく、東京都や脳卒中治療の基幹病院と力を合わせて必要な施設を育て、確保していきます。

    災害関連死を防ぐ

    災害関連死を防ぐ対策については手つかずの分野です。災害関連死を防ぐため、区市町村の行政、医師会にも呼び掛けて、縦割り行政の中で連携が取れていない保健・防災・福祉部署すべてに協力を求め、避難所における地域差のない衛生管理体制の整備や慢性疾患を抱える患者さんの薬剤確保などを進めていきたいと考えています。

  5. 予防医療の推進により、75歳まで誰もが元気に働ける社会を目指す
  6. 医療費増大が続く中、予防医療を社会全体で進めていくことは今後必須と考えています。子ども、女性、高齢者のワクチン接種の推進、学校や企業と連携した健康教育の強化、健康リテラシーを身につけたうえでのセルフケアの普及を軸に、健診、がん検診の受診率向上とその後のフォローをしっかり行うことで、都民一人ひとりが主体的に自らの健康を守る文化を育てていきます。
    更に認知症、フレイル予防に早期から取り組み、地域での支え合いを含めた健康長寿の仕組みを整えます。新たに目指す健康保険組合との連携によるデータヘルスの活用は、効果的な予防策を模索するのに極めて重要と思われ、医師会がそのハブになれればと思っています。

 

これらの政策を3本柱として、東京都医師会は、本年も近未来の東京を見据えた医療健康システムの構築に向けて尽力してまいります。
会員諸氏のご協力を賜りますようよろしくお願いします。

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