2018年11月1日(木曜日)

第5回 定例記者会見:第2期「東京在宅医療塾」について

  • ニュースリリース

<西田 伸一 東京都医師会理事>

発言要旨

 東京都では高齢者人口が全国に遅れること約10年後の2050年にピークを迎える。30年近く高齢者人口増加し、高齢者の高齢化が進み、外来通院できない高齢者が増える。社会的入院、つまり家庭の事情での入院は社会保障費抑制のために減らされ、地域の中での医療提供が必要となる。

 一方で、自宅での療養が困難で、独居、老々世帯が増えるために、新たな住まいでの療養も必要となる。自宅や施設など、住まいでの医療の多くは医師の訪問によって行われるため、訪問医師診療のニーズは増大する。東京都では、2025年の在宅医療必要量が、現在の1.5倍に増えると試算されている。従って、在宅医療資源の量的確保が喫緊の課題である。

 また、高齢になると治らない病気や障害を複数抱えることになる。病状悪化の少ない病気を専門医療機関複数で管理することは非常に効率が悪い。地域の中で総合的に継続して提供する医療が必要となる。継続して提供するためには、外来診療だけではなく、訪問での医療提供を行う機能が必要となる。地域のかかりつけ医機能、診療所機能の更なる充実が求められる。

 以上二点を背景として、かかりつけ医の在宅医療参入促進を目的として、東京在宅医療塾を平成29年度より開講した。これから在宅医療を考えている医師を対象として、平成29年度は57名、平成30年度は63名の参加申込があった。なお、希望者対象に、実地研修として同行訪問診療研修も行っている。今回9月8日開催の第2期第1回テキストを配布している。

 今後、在宅医療の充実に向けて医療機関の総力戦が必要となってくる。東京都医師会では更に在宅医療の24時間体制をサポートするために、一般診療所と在宅専門診療所との連携を推進すべく検討を始めたところである。


質疑応答

  • Q. 第1期の課題を受けての変化・より注力した点があれば
  • A. 第1期は9回シリーズで、細部に至る内容を網羅していたが、アンケートで難しすぎてできないという意見があった。第2期は在宅医療で特殊な分野はコンパクトにまとめ、まったく知識としてないというのも問題なので最小限として、ビギナーのための項目を増やした。あとは多職種連携のテーマ、参加者同士のコミュニケーションを図るためにグループワークを入れる等、気を使って作ってみました。また来年度も更にいいものにしたいと思う。


会見の模様(YouTube)


関連資料


お問い合わせ先

・定例記者会見に関するお問い合わせ:広報学術情報課
・東京在宅医療塾関するお問い合わせ:医療介護福祉課
 TEL:03-3294-8821(代)

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