記者会見(令和2年11月10日開催)
1.今後の新型コロナウイルス感染症対策等について
① 過度な自粛に捉われずに、必要な医療の受診を!
② 年末年始の医療体制について
【発熱したらまず電話】
尾﨑会長は、再流行の兆しの中で重要なこととして「電話連絡をせずに来院して、実は熱があるというケースがみられる。感染予防のために院内の動線を空間的・時間的に分けた意味がなくなってしまうので、発熱したらまず電話をしてから受診することを徹底してほしい。また、高齢者は重症化しやすいので、家族に高齢者がいる人や仕事で高齢者と関わる人は特に気をつけてもらいたい」と訴えた。
さらに「感染から発症までには4日から5日かかり、感染力が強いのは発症2日前から発症後5日間」として、飲酒を伴う会食に参加したら、次の会食まで10日は空けることを提案した。
【データを見て現状把握を】
猪口副会長は、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトに感染状況や医療提供体制、専門家のコメントなどが掲載されていることを紹介し、「ぜひ東京都のモニタリングのページを見てほしい。接触歴等不明者数や重症患者数のデータを見て現状を理解し、感染対策をとってもらいたい」と訴えた。
また、無症状のため気付かないうちに家庭へウイルスを持ち込むケースが多く、年末年始にかけてリスクが高まるので、3密を避け、マスク、手洗いを徹底するよう求めた。さらに「かかりつけ医を起点として、統一した基準で足並みを揃えて年末年始に備えたい」と述べた。
【正しく恐れて、正しい感染対策を】
角田副会長は、「必要な予防・医療・介護は確実に受けてほしい。症状の出る2日前から感染力があり、感染力も強い。3密を避け、マスク、手洗い、換気をして活動的に過ごしてもらいたい」と述べた。
また、インフルエンザの流行に備えて「すべてのかかりつけ医は原則、診療・検査医療機関の指定を受けてほしい」 と呼び掛けた。
【高齢者とフレイル】
平川副会長は、過度の自粛がフレイル化を助長するというデータを示し、3密を避けて 「活動」 「社会参加」 「栄養補給」を心掛けるよう注意を促した。
【成人の健診、 検診】
鳥居理事は、健康診断やがん検診、予防接種の受診を控える動きが強まっていることを指摘し、生活習慣病やがんの初期はほとんど症状がなく、受診を控えると発見が遅れて命に関わる病気になることもあることから、 早期発見、早期治療のためにも健康診断やがん検診を受けるよう呼び掛けた。
【小児の予防接種、 健診】
川上理事は、「子ども達は、ワクチンによりさまざまな感染症から守られているので、予防接種を控えないでほしい。小児科医は病気だけではなく、子ども達の発育・発達を見ているので、心配なことがあるときは遠慮なく相談してほしい」と述べた。
記者会見資料
- 【資料1】小児の受診控えについて
- 【資料2】成人の受診控えについて
- 【資料3】過度の自粛生活がフレイル化を助長
- 【資料4】年末年始の医療体制について
- 【資料5】感染状況と医療提供体制について(11月5日:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議)