予防接種Q&A

新型コロナワクチンについてのQ&Aは、厚生労働省ホームぺージをご覧ください。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

Q.予防接種はなぜ受けるの?
A.予防接種は、ウイルスや細菌によって引き起こされる病気(感染症)を予防するために、ワクチンを接種することで病気に対する抵抗力(免疫)をつけるものです。ポリオ、麻しん(=ましん、はしか)、破傷風(はしょうふう)、百日せき、日本脳炎など、かつて多くの幼い命を奪ってきた恐ろしい病気から子どもたちが守られているのは、予防接種の普及によるものなのです。
Q.予防接種を受ければ病気にかからない?

A.予防接種で十分な免疫がつけば、基本的にその病気にはかかりません。ただし、予防効果はワクチンの種類や個人によって異なるので、予防接種をしても病気にかかる可能性が全くないとは言いきれません。また、感染しても重症化するのを予防できる場合もあり、自然感染した場合に比べて症状が軽く済むという利点もあります。

さらに、予防接種が大切な理由は、自分(の子ども)が重篤な感染症にかからないだけでなく、その病気が周りの人へ広がるのを防ぐことです。社会を守ることにつながります。

Q.自然に感染したほうが免疫がつくのでしょうか?

A.自然感染は確かに強い免疫がつきますが、一方で、合併症や後遺症になるリスクは高いです。

たとえば、「おたふくかぜ」は、自然感染した場合、1~10%の人が無菌性髄膜炎になり、さらに数百人~数千人に1人は難聴になる恐れがあります。しかし、予防接種を受けた場合は、予防接種の副反応によって合併症になるリスクは自然感染の約100分の1に減ります。また、予防接種で難聴になったという報告はほとんどありません。

つまりこの場合、自然感染の方が、合併症や後遺症になるリスクが100倍以上も高くなるのです。

Q.副反応が怖いのですが?

A.予防接種の後の副反応としては、熱が出たり、きげんが悪くなったり、接種部位がはれたり、しこりがでたりすることがありますが、その頻度は高くはなく、そのほとんどは数日以内で自然になおります。

「副反応がこわいから予防接種を受けたくない」と思っているひとがいるようですが、必ずしもそうではありません。そのほとんどがいわば生体の反応である一時的な症状で、感染症にかかったリスクに比べると軽く、重度の副反応はまれです。

また、予防接種の副反応を疑う症状がでた場合は、まずは接種した医師にご相談されるのがよいと思います。

Q.定期接種と任意接種の違いは何ですか?

A.定期接種は、予防接種法に基づいて行われ、対象年齢のうちに受ければ、接種費用は無料の場合が多いです(一部自己負担が発生する地域があります)。一方、任意接種は個人が希望して受けるもので、基本的に自己負担です。「国が決めた定期接種が重要で、任意接種は重要でない」ということはありません。予防接種の重要性としては全く差はありません。

「定期接種」と「任意接種」と区別せずに、必要なワクチンはすべて受ける方がいいと思います。予防接種により、それだけ子どもを感染症から守れる確率が高くなるからです。

その病気にかかるリスクについて考え、医師と相談して接種するかどうか判断するとよいでしょう。

Q.ワクチンを受ける順番やスケジュールについて教えて‼

A.ワクチンごとに受ける年齢が決められています。通常は、最も早く受けるワクチンは生後2か月からです。病気になる前に予防することがワクチンの目的なので、接種できる月齢になったらなるべく早く受けることが望ましいです。

1回の受診で複数のワクチンを同時に受けられる「同時接種」も検討してみてください。効率の良いスケジュールを組むことができます。受ける順番や時期などのスケジュールは、かかりつけ医に相談しながら決めましょう。体調不良などで、スケジュール通りに受けられなかった場合は、医療機関で早めに再調整をしましょう。

※国立感染症研究所ホームページ 予防接種スケジュール
 http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/320-infectious-diseases/vaccine/2525-v-schedule.html

Q.同時接種と混合ワクチンの違いとは何ですか?

A.同時接種は、からだの別の部位に、それぞれ異なるワクチンを接種します。上腕と大腿が接種部位で、同一肢に接種する時は約2.5cm以上の間隔を開けます。

混合ワクチンは、複数のワクチンがはじめから1本の注射液に混合して含まれているものです。日本では百日せき、破傷風、ジフテリア、ポリオの四種混合(DPT-IPV)、麻しんと風しんのMRワクチンなどが混合ワクチンです。

混合ワクチンは注射の回数を減らして子どもたちの負担を少なくすることができ、世界中で研究を重ねて開発が続けられています。

Q.ワクチンを受け忘れた場合どうすれば良いですか?

A.気付いた時点で早めにかかりつけ医に相談しましょう。複数回の接種が必要なもので、前回の接種から大きく間隔が空いてしまった場合でも、規定の回数を受ければ効果が期待できます。最初から受け直す必要はありません。

なお、定期接種の対象年齢を超えた場合、接種費用は自己負担になります。

Q.接種当日の体調がよくないときはどうすればよいですか?

A.予防接種は出来るだけ体調の良い時に行う方がよいのは言うまでもないことですが、体調が少々よくなくても、予防接種の安全性や効果自体に変わりはありません。

ただ、接種後に発熱や嘔吐(おうと)が起きた場合、予防接種の副反応なのか、何か別の病気の症状なのか、判断がつかなくなる可能性があります。そのため、発熱、嘔吐、ひどい咳などの症状がある場合は、接種を控えたほうがいいでしょう。判断に迷うときは、接種前に医師に相談してください。

Q.ワクチン接種した後は、どのようなことに注意したらよいですか?

A.まれに起こる重い副反応として「アナフィラキシー」がありますが、接種後30分以内に起こることが多いので、その間は顔色など子どもの様子に注意し、異変があればすぐ医師に伝えましょう。

注射した部位は、わざわざ揉む必要はないとされています。当日の入浴は、差し支えありません。接種後に何か気になる症状が出現した場合は、すべてが副反応とは限りませんが、医師に相談するとよいでしょう。

Q.食物アレルギーがあります。ワクチンを接種しても大丈夫でしょうか?

A.食物アレルギーがあるからと言って、予防接種ができないということは基本的にありません。とくに話題になるのは、卵アレルギーの方ですが、単に軽度の卵アレルギーというだけでは、接種を避ける必要性はないと考えます。

例えば、麻しんワクチンでは、ニワトリ胎児線維芽細胞を用いて製造されていますが、卵アレルギーで問題となる卵白と交差反応を示す蛋白は殆ど含まれておりません。このため、米国では、重度の卵アレルギーを有する小児でも、麻しん及びおたふくかぜワクチン(MMRワクチンを含む)接種児にアナフィラキシー反応のリスクは低く、事前の皮膚テストなしに接種できるとされています。

現に生ワクチン接種後のアナフィラキシー反応は、殆ど報告されなくなり、卵アレルギー児でも安全に接種できています。またインフルエンザワクチンには、微量の卵蛋白が含まれていますが、数ng/mLと極めて微量でWHO基準よりはるかに少ないことから、本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことが明らかな者は接種不適当者ですが、卵白特異的IgE抗体が陽性でも,卵加工食品を食べても無症状である児では、接種後の鶏卵アレルギーによる重篤な副反応の報告はないことが予防接種ガイドラインに記載されています。

Q.アトピーやぜんそくなどアレルギー疾患がある人はワクチン接種しても大丈夫ですか?

A.ワクチンの成分によって、アナフィラキシーを起こしたことが明らかな人は接種できませんが、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー体質があるだけの場合は通常接種可能です。

今のところ、ワクチン接種による即時型アレルギー症状誘発を予知する確実な手段はありません。強く不安を持たれる方は接種要注意者の対応に準じて慎重な観察と緊急時の体制を整えた上で接種されます。

Q.現在、妊娠中の女性や授乳中の女性への予防接種はどうすればよいでしょうか?

A.妊婦への生ワクチンは、胎児への影響を考慮して接種はできません。妊婦に接触する可能性のある方へは接種しても心配ありません。

むしろ接種を受けていない方が自然感染を受け、そこから妊婦が感染を受けるリスクの方が高いと考えられます。なお、不活化ワクチン、トキソイドの接種は胎児に影響するとは考えられないので接種可能です。

2009年に発生した新型インフルエンザ2009に関しては、妊娠中にインフルエンザを発症した場合の重症度を鑑み、妊娠の時期にかかわらず接種が推奨されました。妊婦は肺炎などを合併しやすく、基礎疾患がある方と同様に重症化しやすいことが明らかとなりました。

季節性インフルエンザワクチンに関しては米国では長い歴史があり、安全性と有効性が証明されています。米国では毎年、約60万人の妊婦さんが季節性インフルエンザワクチン接種を受けていますが、大きな問題は起こっておりません。妊娠中にワクチン接種を受けた母親からの赤ちゃんについても有害事象は観察されていません。新型インフルエンザワクチンも季節性インフルエンザワクチンと同様な方法で作られているので同様に安全と考えられています。ワクチンを受けることによる利益と損失(副作用など)を考えた場合、利益のほうがはるかに大きいと世界保健機関(WHO)も考えており、妊婦に対するインフルエンザワクチン接種を推奨しています。また、ワクチンを受けるということは「自分を守る」とともに、「まわりの人を守る」ことにつながります(妊娠中にワクチンを受けると出生した赤ちゃんも数ヶ月間インフルエンザになりにくいことが証明されています)。

また、授乳中の女性への予防接種について明確なデータはないものの、仮に母乳中にワクチン成分が分泌されてもごく微量であり乳児に与える影響はないと考えられています。

予防接種に関するお問い合わせ東京都医師会 疾病対策課
電話:03-3294-8821(代)
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