2021年9月30日(木曜日)

新型コロナウイルス感染症の自宅療養中等に関する診療報酬請求の要点(9/30 臨時的取扱い63について追記)

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公費負担事業の概要

新型コロナウイルス感染症の患者が宿泊・自宅療養中に往診等の医療を受診した場合、新型コロナウイルス感染症に係る治療の自己負担額は、新型コロナウイルス感染症緊急包括交付金による補助の対象となります。
都道府県が交付元であるため、行政検査における検査料・判断料の公費負担者番号(保健所設置市及び特別区別)ではなく、都道府県別の公費負担者番号で請求することになります。

公費負担者番号 28136802(都内共通)
受給者番号 9999996

公費負担事業の対象となる医療

対象者 保健所等の指示による宿泊療養者または自宅療養者他
対象期間 保健所等が宿泊療養または自宅療養を指示した期間
負担対象 新型コロナウイルス感染症に係る医療
(往診・訪問診療、電話等情報通信機器による初診・再診、訪問看護、処方・調剤等を含む。)

■注意事項

「新型コロナウイルス感染症に関係のない医療行為」や、「感染していなかった場合でも実施したであろうと判断される医療行為」は公費負担の対象外です。従って、例えば以前から糖尿病の治療を行っている患者が新型コロナウイルス感染症に罹患し、医療機関が往診した場合、糖尿病の治療は公費負担とはなりませんが、往診料や酸素飽和度の確認などは公費負担の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染者から電話等で直接診察の依頼があった場合、患者の自己申告では陽性者の確認ができないため、当該患者の管轄の保健所に患者の現状(自宅・宿泊療養期間等)を確認してください。

■確認事項

令和3年1月19日付「新型コロナウイルス感染症における自宅療養中等の患者に対する診療報酬請求について」発出時には、宿泊・自宅療養者に対する院内トリアージ実施料の取扱いについて確認が取れておりませんでしたが、この程、関東信越厚生局並びに東京都に「宿泊・自宅療養者に対し、必要な感染予防策を講じて患家等に赴いて往診等を行った場合等であっても、院内トリアージ実施料を算定でき、公費負担医療となる」ことを確認しました。
(外来で新型コロナウイルス疑いのためPCR等の検査を行った場合、院内トリアージ実施料は保険診療にはなりますが、公費負担医療とはなりません。)

東京都医師会からの報告

■自宅療養者の在宅酸素濃縮装置使用について

東京都では、自宅療養患者が呼吸困難などの急変により入院が必要となったものの、入院可能な病床が無く、やむを得ず自宅療養を続ける場合に、在宅酸素濃縮器を貸し出す事業を行っています。在宅酸素療法は対面で指導管理を行わなければ実施できませんでしたが、東京都医師会で厚生労働省に確認し、「患者から電話等により急変の訴えがあり、医師の判断により緊急に酸素療法を実施することが必要な場合は、医師の責任において、電話等で患者に指導等を行った後に酸素療法を行うことは可能である。」との回答を得ました。
しかしながら、電話等の診察で在宅酸素療法指導管理料を診療報酬請求するためには、「診療報酬上の臨時的な取扱い(その5)」において、「電話や情報機器を用いて診察した場合、過去3月以内に在宅療養指導管理料を算定した慢性疾患等を有する定期受診患者等であって、衛生材料又は保険医療材料を支給した場合に在宅療養指導管理料を算定できる。」と示されており、往診等が可能となり次第、速やかに対面での診察が必要となります。

■陽性となった患者・自宅療養者の外来治療について

【R3.8.30】囲み内の記述について疑義が生じておりましたが、自宅・宿泊療養者等が急増している現状をふまえて厚生労働省や東京都と協議を行った結果、東京都内においては囲み内のとおり取扱うことを改めて確認し、併せて保健所の了解を得ました。

・患者が発熱で受診し、当日に抗原検査で陽性が判明した場合、解熱剤などの新型コロナウイルス関連治療については、保健所に発生届を提出した日から公費負担となります。
 ただし、検査により陽性が確定する前に実施した初診料・再診料・院内トリアージ料などは、新型コロナウイルス関連の治療とは認められず、同日であったとしても公費負担とはなりません。
 ※この場合、保険診療、公費による検査、公費による治療が混在することになり、患者に一部負担金が発生することにご留意ください。

・自宅療養中等で、外来診療が必要な患者(透析患者等)については、当該患者の管轄の保健所に必要な感染予防策(当該患者が他の患者と接触しないことや来院まで公共交通機関を使用しないこと等)を相談の上、外来診療が可能となります。

診療報酬請求方法(事例集)※臨時的取扱い(その63)に対応した事例集を作成し、近日中に公開する予定です

新型コロナウイルス感染症で自宅療養中の患者から、フォローアップセンター等が相談を受けて該当地区の当番医に医療支援を求め、当番医が診療を行った場合の診療報酬(公費請求を含む)請求する場合の具体的な事例集を作成いたしました。
事例の患者は全て新型コロナウイルス感染症の自宅療養者であり、「他の医療機関で検査を実施し、新型コロナウイルス感染が確定した患者、または、前月に自院で検査を実施し、新型コロナウイルス感染が確定した患者」を想定しております。※事例5の(2)を除く

また、往診や訪問診療等を行った場合は患家等であっても、必要な感染予防策を講じて院内トリアージ実施料を算定できます。
さらに、自宅療養者の求めに応じ電話にて診察する場合は、オンライン診療の設備の無い医療機関でも電話のみの対応で電話初診・再診の実施、算定が可能です。

なお、事例には記載しておりませんが、救急医療管理加算1(950点)を算定する患者が、6歳未満である場合には乳幼児加算として400点を、6歳以上15歳未満である場合には小児加算として200点を加算できます。
※臨時的取扱い(その51)が発出された令和3年7月30日以降適用

※【レセプト例】をクリックするとレセプトのイメージ図が開きます

事例1:初診患者から電話等で医療支援を求められ院外処方を行った場合レセプト例

8月5日に自宅療養者(受診歴無)から、電話等により病状についての訴えがあり発熱を認めたため、解熱剤の院外処方せんを発行した。
注1:自宅療養者の対応における、初診からの電話や情報通信機器を用いた診療の実施についての留意事項等については、令和2年4月10日付「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を参照してください。※患者の保険資格確認方法等についても記載されております
注2:自宅療養者の対応における、電話や情報通信機器を用いた診療において、院外処方を行う場合には、処方せんに「CoV自宅」(宿泊療養の場合は「CoV宿泊」)と記入してください。さらに、患者が電話等で服薬指導を希望する場合は「0410対応」と記載してください。

事例2:初診患者から電話等で医療支援を求められ往診を行った場合レセプト例

8月5日に自宅療養者(受診歴無)から電話により病状についての訴えがあり、往診し発熱を認めたため、院外処方せんを発行した。

事例3:かかりつけ患者から電話等で怪我の医療支援を求められ往診を行った場合レセプト例

8月5日に自宅療養者(受診歴有)から、電話により新型コロナウイルス感染症の症状と自宅で転倒による怪我をしたとの訴えがあり、往診し新型コロナウイルスの診察と100cm2未満の創傷処置を行った。

事例4:初診患者から電話等で呼吸困難の医療支援を求められ往診を行った場合レセプト例

・8月5日に自宅療養者(受診歴無)から、電話により呼吸困難の訴えがあり、酸素療法の必要を認める。
・医師が往診することが困難なため、電話で患者に対し療養上必要な事項について適正な注意及び指導を行い、東京都の確保事業による酸素濃縮装置を設置する。
・患者自身が在宅酸素療法を行う。
・医師は往診可能となった時点で患家に赴き酸素療法等の治療を行う。
※ 在宅酸素療法指導管理料(2,400点)は月に1回算定できますが、酸素濃縮装置加算(4,000点)は医療機関が機器を用意した場合に限り算定可能であり、本件の東京都の確保事業による場合は算定することはできません。

事例5:訪問診療

(1) 月1回訪問診療を受けている患者が新型コロナウイルス感染症に罹患して自宅療養となり、2日間の診療日のうち、1日は患者からの求めに応じて往診を行い、1日は在宅治療計画書に記載のある訪問診療日に患家に赴き診察を行った。レセプト例

8月5日 在宅医療を行っている感染患者からの要請により、往診(再診料・外来管理加算)として患家に赴き新型コロナウイルスの治療を行った場合(計画された訪問診療日ではない。)
8月19日 患家に赴き計画に基づく訪問診療を実施(計画された訪問診療日であり、新型コロナウイルスの診察は行わず。)

(2) 月2回訪問診療を受けている患者が、初回訪問診療時にPCR検査を行った結果、自宅療養となった。2回目の訪問診療は新型コロナウイルスの診療も併せて行った。レセプト例

8月5日 患家に赴き計画に基づく訪問診療を実施。患者からの味覚異常の訴えによりPCR検査を実施、翌日、陽性を確認し保健所からの指示により自宅療養となる。
※【R3.09.06】在宅時医学総合管理料を算定している場合、処方箋料を算定することができません。レセプト例も修正しました。
8月19日 2回目の訪問診療時に、新型コロナウイルス感染症による発熱を認めたため、院外処方せんを発行した。

(3) 月2回訪問診療を受けている患者が自宅療養となり、初回の訪問診療は患家に訪問したが、2回目の訪問診療は患者からの要請により、電話再診で行った。(2回とも自宅療養期間中)レセプト例

8月5日 患家に赴き計画に基づく訪問診療を実施。患者の発熱を認め院外処方せんを発行した。
※【R3.09.06】在宅時医学総合管理料を算定している場合、処方箋料を算定することができません。レセプト例も修正しました。
8月13日 計画に基づく訪問診療日ではあるが、患者からの要望により電話等を用い訪問診療計画の診療及び新型コロナウイルス感染症の療養の指導を行った。
※自宅・宿泊療養中等の電話等初診・再診に係る「二類感染症患者入院診療加算」は令和3年8月16日から適用のため算定しておりません。

関連通知

項  目 厚労省文書名・発信日
●自宅・宿泊療養者に中和抗体薬を投与した場合の「救急医療管理加算1の5倍」(4750点)
●自宅・宿泊療養者に緊急に往診・訪問診療した場合の「救急医療管理加算1の3倍」(2850点)※介護医療院や介護福祉施設の配置医師等が緊急に往診を実施した場合も同様
●自宅・宿泊療養者に緊急に訪問看護を実施した場合の「長時間訪問看護・指導加算の3倍」(1560点)
臨時的取扱い(その63)【R3.9.28】NEW!
自宅・宿泊療養中等の電話等初診・再診に係る「二類感染症患者入院診療加算」(250点) 臨時的取扱い(その54)【R3.8.16】
往診料又は在宅患者訪問診療料を算定した日の「救急医療管理加算1」(950点)※臨時的取扱い(その63)によりR3.9.28廃止 臨時的取扱い(その51)【R3.7.30】
往診料に係る「緊急往診加算」(325~850点) 臨時的取扱い(その36)【R3.2.26】
初再診料等、在宅患者訪問診療料に係る「医科外来等感染症対策実施加算」(5点)※臨時的取扱い(その63)によりR3.9月末日で廃止 臨時的取扱い(その35)【R3.2.26】
初再診料等に係る「乳幼児感染予防策加算」(100点)(50点)※臨時的取扱い(その63)によりR3.10.1から変更 臨時的取扱い(その31)【R2.12.15】
宿泊・自宅療養における公費負担医療の提供について 新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養における公費負担医療の提供について【R2.4.30】
往診料等に係る「院内トリアージ実施料」(300点) 臨時的取扱い(その14)【R2.4.24】 
電話や情報通信機器を用いて初診を行った際の「初診料」(214点) 臨時的取扱い(その10)【R2.4.10】
電話や情報通信機器を用いて再診を行った際の「電話等再診料」(73点) 臨時的取扱い(その2)【R2.3.2】

※「臨時的取扱い」は「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」の略称です。

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