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連載コラム

救急医療(46)渡航感染症-(3)渡航に関する予防接種

国立国際医療研究センター病院
国際感染症センター
大曲貴夫先生、山元 佳先生

どのような予防接種(ワクチン)が必要か?

海外渡航前に予防を検討すべき病気には、渡航先で発生が多いものと世界中どこに行く場合でも予防すべきものがあります。

前者は渡航地域だけではなく、感染経路、渡航期間や目的を含めて予防を検討します。食事を避けるのは難しいので、食事を感染経路とするA型肝炎ワクチンは短期間の渡航でも接種を推奨します。また、狂犬病ワクチンを事前に接種していたとしても、流行地域で哺乳動物に咬まれるなどの感染リスクが生じた場合には、現地の病院での速やかな対応が必要です。

後者の多くは定期接種として接種されますが、年齢や出身地で接種歴は異なります。麻疹・風疹ワクチンのように推奨接種回数が増えたものもあり、不充分な場合には補填が重要です。

入国に必要になるワクチン:国際保健規則と黄熱ワクチン

2016年現在、国際保健規則が定める入国に際して必要なワクチンは黄熱とポリオのみです。多くの国の入国に関わる黄熱の接種証明(イエローカード)は、入国時に求められる国と、感染リスク国からの入国時に求められる国があります。感染リスク国は南アメリカとアフリカの一部地域のみですが、アジアの一部でも感染リスク国からの入国時には必要なので注意しましょう。この状況は検疫所のウェブサイトで確認できます。

イエローカードは接種10日後から有効です。以前は10年の有効期間がありましたが、2016年7月11日に生涯有効へと変更されました。ただし、カードを紛失した場合には、10年以内に接種した機関で再発行が必要です。なお、黄熱ワクチンは身体の抵抗力が低い方や60歳以上の方では重篤な副反応のリスクが高くなるため、充分な相談が必要です。

渡航外来での留意点

予防接種の種類によっては、複数回の接種が必要です。海外渡航が決まったら、1か月以上の余裕を持って渡航外来に相談しましょう。その際、接種歴は記憶では曖昧になるので、母子手帳やそれを撮影した画像を持参しましょう。また、渡航前相談は、ワクチンの接種だけが目的ではありません。渡航地での生活上の注意点をよく聞き、病気を予防しましょう。

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