読んでためになる

元気がいいね

拝見!医師の一日

第15回都民公開講座リポート
上を向いて歩こう
フレイル予防でいきいき健康都市東京

2016年11月27日(日)、千代田区にある東京都医師会の講堂において第15回都民公開講座『上を向いて歩こう フレイル予防でいきいき健康都市東京』(主催=東京都医師会)が開催されました。"フレイル"とは、高齢者の筋力や体力が低下して、身体・心・社会性において虚弱になった状態をいいます。心身ともに健康で長生きするためにはフレイル予防が大切です。私たち都民ができることについて、専門家の解説や地域コミュニティの活動などからヒントを得ることができました。

健康長寿の3つの柱は栄養、運動、社会参加

尾治夫
東京都医師会 会長

主催者代表として挨拶した尾治夫東京都医師会会長は、竣工したばかりの東京都医師会館は災害活動の拠点としての機能を有することなどについて触れ、「病気予防のための禁煙と介護予防のためのフレイル対策を二大スローガンに掲げて、元気な東京をつくっていきたい」と述べました。

第1部は、『なぜ老いる?ならば上手に老いるには〜「フレイル」って一体何だろう?〜』と題した飯島勝矢氏(東京大学高齢社会総合研究機構教授)による基調講演が行われました。

飯島勝矢氏
東京大学高齢社会総合研究機構教授

飯島氏は、「長寿に影響を与える要因の約25%は遺伝だが、約75%は自分で管理が可能」と指摘。フレイル(虚弱)の3つの特徴(〃鮃と要介護の中間時期、可逆性、B震明:身体・こころ・社会性)を挙げて、「老化は個人差がある。自分の状態を知るためにフレイルチェックが有用」と説明。また、高齢者が陥りやすいサルコペニア(筋肉減少症)について取り上げ、「認知症や転倒・骨折、口腔機能低下を招き、たんぱく質摂取不足などと相まって低栄養が生じ、要介護状態に進みやすい」とフレイルの大きな原因になることを解説。「フレイルを予防するために、 ̄浜棔↓運動、社会参加という健康長寿の3つの柱が重要。3つともできない人は、できる人に比べてフレイルのリスクは8.8倍、サルコペニアのリスクは9.1倍、社会的孤立のリスクは3.4倍にも高まる」とまとめました。

地域住民が主体となってフレイル予防を展開

田村あゆち氏
フリーアナウンサー

第2部は、『フレイル予防の取り組み紹介 ー汰編「みんなでやってみよう!フレイルチェック」 活動紹介編「市民の手による、市民のためのフレイル予防』と題した講演が、田村あゆち氏(フリーアナウンサー)の司会により進行されました。

ー汰編に登壇したのは飯島氏と黄緑色のシャツを身につけた市民フレイルサポーターの3名(若林義道氏、大海正春氏、斎藤美津子氏)です。フレイルサポーターは地域コミュニティでフレイル予防を実践する役割を担っています。まず、会場の参加者全員で「指輪っかテスト」と「イレブン・チェック」という2つのフレイルチェックを実施。前者は両手人差し指と親指でつくった輪の大きさとふくらはぎの太さを比較するもの、後者は栄養、口腔、運動、社会性・こころに関する11の質問に回答(はい・いいえ)するものです。いずれもフレイルの兆候があると赤信号となり、再チェックに向けて改善できるように促します。そのほか数名の参加者が「滑舌テスト」と「立ち上がりテスト」(写真下)を壇上で体験。

フレイルチェックのひとつ「立ち上がりテスト」のデモンストレーションをするフレイルサポーター。

前者は「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間でできるだけ早く「パパパパ…」と連続発音し、その回数をカウントするもの、後者は両手を胸の前でクロスさせたまま片足で椅子から立ち上がるというものです。飯島氏は「フレイルチェックは科学的根拠に基づいたプログラム、各地で展開できるように広げて欲しい」と呼びかけました。

大久保輝行氏
葛飾区高齢者クラブ連合会会長

活動紹介編に登壇したのは大久保輝行氏(葛飾区高齢者クラブ連合会会長)と内田卓氏(地域リビングプラスワン)です。大久保氏は、「区内の約1万1千人の高齢者を会員とし、スポーツ、手芸、清掃など150のクラブで会員同士が活発に交流している」と葛飾区高齢者クラブ連合会の活動を紹介。

内田 卓氏
地域リビングプラスワン

80歳の内田氏は、「高齢化が進む高島平商店街の地域でリビングを共有し、幅広い世代が集って食事をする際にごはん当番を担当している」と紹介。お二人の講演から、地域コミュニティで生きがいを持って楽しみながら社会参加することが健康長寿につながることを実感しました。

2016年に竣工した東京都医師会館の講堂。
本講座には950名近い多数の応募があり、300名収容の会場は満席となりました。

ページの上へ



東京都医師会からのお知らせ

  • 休日・夜間診療案内
  • 知っておきたい予防接種のお話
  • 東京都南新宿検査・相談室(エイズ検査・相談)

新東京都医師会館のご案内はこちらをご覧ください。