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地元医師会の災害時医療対策(17)
大田区三医師会
都内有数の人口と国際空港を擁する地域の災害時医療対策

大田区は品川区とともに都南部に属し、東側に東京湾、南側に多摩川があります。人口はおよそ72万人弱で、東京23区内では世田谷区、練馬区に次いで3番目に多い地域です。
平成24年4月に東京都防災会議が公表した東京湾北部を震源とするM7.3の首都直下型地震による被害想定(冬18時、風速8m/秒)では、大田区内で死者1,073人、負傷者10,412人とも言われており、早急な対策が求められています。

大田区の災害・防災対策

大田区の防災対策は、松原忠義区長の肝いりで区政の重要課題の1つとして取り上げられています。対策は、大地震による住宅の倒壊とそれによる負傷者の救護、津波や河川のはんらんによる水害対策、住宅密集地での大規模火災対策、帰宅困難者対策等多岐にわたっており、大田区と住民、消防、警察、医師会、その他各種団体を交えて活発に防災会議や訓練が行われています。

大田区では平成25年に『大田区わがまち防災計画(区民版地域防災計画)』を作成しました。「火災焼失建物棟数・全壊建物棟数の分布図」「津波ハザードマップ」などの資料に加えて、大地震に備えて知っておくべき情報を掲載しています。大田区のホームページからダウンロードできるので、参考にしてください。

大田区三医師会の対応

大田区三医師会(大森、田園調布、蒲田の各医師会)では、区南部地域災害医療コーディネーター(東邦大学医療センター大森病院 吉原克則教授)と大田区災害医療コーディネーター(松本賢芳医師、木原正義医師)を中心として、大田区災害医療連携会議を開催し、さらに現在7つの部会(医療救護所、周産期医療、医療品・資機材、透析医療、遺体・歯科医療、情報連絡、訓練・研修の各部会)が設置され、それぞれの問題点を検討しています。

区南部の災害拠点病院は7病院(大田区は5病院)で、東邦大学医療センター大森病院が地域災害拠点中核病院になっています。

緊急医療救護所の課題

平成27年度からは新しいシステムとして、超急性期(地震後72時間以内)には緊急医療救護所を開設することになりました。大田区の緊急医療救護所は19か所設けられ、それぞれの医師会が分担します。このうち3か所は、学校に設置することになっていましたが、中等症者、重症者の処置が困難なこと、搬送システムが整備されていないことから、今年4月より「軽症者救護所」という名称に変更される予定です。

現在、緊急医療救護所については課題が山積みです。中でも、.泪鵐僖錙爾粒諒檗住化犬垢覦綮奸並臈超茲任聾饗Г箸靴洞疥抂綮嫣完が参加予定)、看護師を含む医療スタッフ、大田区職員、ボランティア等、医師、看護師、医療スタッフ、区職員への災害医療に関する教育、4擬堡汰の問題、ぬ剤、医療資材の確保、についてはすみやかに解決していかなければなりません。また、超急性期以降の医療救護体制についても議論されています。

大韓航空機エンジン火災事故で学んだこと

筆者は昨年5月27日に東京国際空港(羽田空港)内で起きた大韓航空機事故の医療救護に参加しました。幸い20数名の軽傷者のみで大惨事には至りませんでしたが、現場では大変な混乱が起きていました。

東京国際空港では毎年、航空機事故対処救難訓練を行っています。関係団体、メディア等も含め例年およそ800〜1000人が参加し、医療関係では消防とともに東京DMAT、大森・神奈川赤十字病院、大田区三医師会、川崎市医師会、蒲田医師会立看護高等専修学校等が医療救護訓練を行っています。

訓練内容は国土交通省が綿密なタイムスケジュールを作成し、それに従ってそれぞれの任務を遂行し、ほぼ予定通りに進行して終了します。訓練が成功すれば事故発生時も大丈夫だと思いがちですが、実際の災害ではそのようなシナリオはありません。昨年の事故現場でも、初動体制からつまずき、各関係団体への連絡の不備、救護所ならびに現場指揮所が設営されていない、空港周辺の警護が充分でないなど、普段の訓練からは考えられないような状況が多く見受けられました。

緊急医療救護所の訓練も同様で、あらかじめ設定されたシナリオやストーリーを演じるだけではなく、シナリオのない実際の災害時を想定した訓練が大切であると痛感しました。

大災害に備えて 区民へのお願い

関東大震災から93年以上が経過し、過去の大地震の周期等からみて、いつ大地震が起きてもおかしくないといわれています。明日起こるかもしれない大地震への備えはできていますか?

「防災対策は行政がやる、自分は緊急避難グッズを備えておく」果たしてそれでよいのでしょうか。もしもの時に備えて、「自助 共助 公助」の概念をしっかり身につけておきましょう。

地震により負傷して処置が必要な方は、まずは緊急医療救護所に行ってください。中等症者、重症者の中には歩行困難の方もいます。大地震時には救急車を要請することは難しく、道路も通行できない可能性が充分あるので、近隣の方々の助けが必要となります。普段から地域ぐるみの防災訓練に積極的に参加してください。

緊急医療救護所の第一の目的は、できるだけ多くの救える命を守ることです。それには、区民の皆様のご協力が必須です。何とぞお力添えをよろしくお願いいたします。

(大田区医療コーディネーター 蒲田医師会 木原正義先生)

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