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在宅医療における認知症(1)認知症疾患医療センターとは

あしかりクリニック
芦刈 伊世子 先生

はじめに

東京都の人口は現在約1,340万人で、そのうち65歳以上は約300万人です。認知症の有病率は15%といわれているので、約45万人の認知症の人がケアを受けているという計算になります。認知症の高齢者が増加する中、東京都では平成19年に東京都認知症対策推進会議が設置され、平成24年4月にまず地域拠点型認知症疾患医療センターを10か所設置しました。現在では47か所の認知症疾患医療センターが設置されており、もうすぐすべての区市町村に設置されます。自分、あるいは親が高齢になるという状況を考えたとき、自分や親が住む区市町村の地域包括支援センターと認知症疾患医療センターがどこにあるかは必ず確認しておきましょう。

認知症疾患医療センターの役割は?

認知症疾患医療センターの役割は以下の5つです。

認知症に関する医療相談

認知症疾患医療センターには、認知症に関する専門知識を持つ相談員(精神保健福祉士等)がいて、本人、家族、関係機関からの医療相談に対応します。状況に応じて、適切な医療機関等の紹介も行います。先日当院に、遠方にお住まいの男性から「今、妻は抗認知症薬を飲んでいますが、どんどん進行しています。知人から先生のことを聞き、診てもらいたいのです」という電話がありました。介護者が疾患の進行を受け入れ、介護技術が高まるには時間がかかります。もう少し勉強したり、家族教室、認知症カフェの存在などを知ったりしてもらいたいと思い、その区の認知症疾患医療センターにご紹介しました。安心した暮らしを支えるためにコーディネートすることが、重要な役割です。

認知症の診断と対応

生活への影響などをふまえた総合的観点で、認知症の診断を行います。また、関係機関と情報を共有し、医療・介護・生活等の支援につなげていきます。アルツハイマー病、びまん性レビー小体病、非アルツハイマー型認知症などの病気の診断後は、ご本人のかかりつけ医と連携し、日常の診療は引き続きかかりつけ医が担当します。認知症の症状が重度になり、専門的な対応が必要になったときには、再度センターで調整します。センターとかかりつけ医が連携しているので、患者さんとご家族は安心して相談できるのではないでしょうか。

身体合併症、行動・心理症状への対応

認知症の人の身体合併症は発見しにくく、どこで治療したらよいのか判断するにも専門的知識が必要なので、センターがアドバイスをします。また、行動・心理症状が活発になったときには介護者と話し合いながら外来治療をし、場合によっては、入院できる医療機関と協力・連携します。センターと地域病院の相談員も密接に相談し合い、地域全体で受け入れる体制をつくっています。すこやかな暮らしのために、家庭だけで抱え込まずにセンターに相談するとよいでしょう。

地域連携の推進

区市町村等が開催する認知症に関連する会議に協力・出席し、区市町村とともに、認知症の人の支援に携わる関係者のネットワークづくりを推進しています。

区市町村の認知症施策への協力

所在する区市町村が実施する認知症関連事業に協力します。認知症関連のパンフレット作成、会議、講演、研修の企画などに協力しています。

おわりに

診療所型のセンターは相談員が医師のすぐ隣の部屋にいることが多く、長く地域で働いてきた医師が運営していることが多いので、より早く、細やかに対応できるのではないかと思います。大病院のセンターでは、入院が迅速であることが期待されています。お読みになった方はさっそくお近くの認知症疾患医療センターを調べてみてください。

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