| 唐澤祥人会長 |
唐澤会長、二期目へ指針
都医、新執行部が発足
本年4月22日開催の、都医代議員会において会長に再選されました。基本的に平成十七年度事業計画・予算に従って事業運営を進めることになりますが、時局に鑑みて経費の節減を図り有効な執行を図っていく所存であります。医療を巡る厳しい環境の中、東京都医師会の事業運営は一層重要性を増しております。役員一同襟を正し、誠心誠意務めますので、会員各位のご理解とご支援をお願い申し上げる次第であります。
医療提供体制の堅持に向けて事業推進します
ご高承のとおり、人口構造の変化や、疾病構造の変容はガンや生活習慣病対策など医療提供の内容に大きな変化を来たしております。その上、小児救急医療や在宅医療への対策も重要課題となっています。同時に高齢世代、現役世代間の居住的、地縁的な関わりが一層希薄となってきて、急増する在宅高齢者について保健、医療、介護の一体的提供が必要となりました。疾病予防・介護予防の取り組みとともにきめ細かい事業展開を図ります。
IT関連事業と生涯保健事業に取り組みます
個人の各ライフステージに亘って情報管理システムを構築し、生涯保健事業や生活習慣改善推進事業のなかで、終生の健康維持管理に役立てて頂くためのシステム構築を目指し取り組みます。電子カルテや医療情報連携システムの構築にあたっては情報の管理と提供において有益な方向性を十分に踏まえて体制の確保を進めてまいります。
会員活動支援策を重視し事業展開します
昨年末を以て本会会員は2万100余名で地区医師会数合計58医師会となっておりますが、勤務医会員、女性医師会員など若手医師の増加が顕著であります。会員の医師会事業への理解と参加を図り、意見交換を図る必要があります。また活動状況を把握し有効適切な具体策により活性化を図らねばなりません。ことに休業医師の再就業支援や卒後臨床研修制度を支援するとともに、研修終了後の進路についても受け入れ体制と情報提供などに広範囲で永続的な対策が必要であります。一方、適切な開業支援も継続して実施してまいります。
医療の信頼性と質向上を目指して事業を推進します
医療の質に関しての多くの課題が新たに生じております。ことに医療の信頼性と安全性が強く求められております。
医療の信頼性はその安全性と医療情報の提供、医の倫理の高揚などが主たる課題であります。各医療の現場での医師や関連職の確保と研修体制を含めた十分な対策が必要であり、その上で在宅、施設など都民の要望に応じた医療提供体制、すなわち包括的地域医療システムの確立が可能となります。
また医学、医療の近代化に応じての医療技術、医療機器の利用や医療施設の拡充など、医療内容の先進性も盛り込んでいくことが重要です。
この様な各事業については東京都をはじめ関係団体と十分に連携、協議しつつ推進を図る所存であります。
医療保険制度維持確保に向けて活動します
医療制度改革のひとつに、社会保障費の総枠を国民総生産の一定枠内に収める、あるいは医療費の伸び率を国民GDPの伸び率以内にするといった、医療費の公的守備範囲の制限枠を導入する建議がなされております。医療は前述のような信頼と安全の確保には十分な財源が提供されなければ維持できません。
医療制度の確保は国家安全保障と同等の人間の生存の保障という国策の根幹であります。現状を無視した改革は、国民皆保険制度を崩壊に導き、経済的弱者を省みない政策に帰結することになります。ことに高齢者医療へのしわ寄せとなる事態になることも考えられます。医療は国策として確保されねばなりません。国民と政府に対し理解を得るように働きかけてまいります。
会員の一層のご協力を
都医師会は東京都における医療担当者としての視点から、都民が安心して健康長寿を地域の生活圏の中で確保できるよう、注力して参りたいと考えております。結びになりますが、各位の一層のご健勝、ご活躍を衷心よりご祈念申し上げます。
| 地区医師会長 |
協議会報告
平成17年5月20日(金)
4月20日の都医代議員会で、唐澤執行部として二期目がスタートしたが、初めての会長協議会にあたり、植松治雄日本医師会長と武見敬三・西島英利両参議院議員から医療の現状や今後の方針などの説明があり、協力を求めた。
都医からの伝達事項
(1)平成十六年度在宅難病患者訪問診療事業地区医師会別実施状況について
年間計画件数1千件(四半期あたり250件)に対し、昨年度の実績は969件であった。今年度も目標を達成するよう、協力をお願いしたい。
(2)結核予防法第二十二条第一項の規定による届出について
結核患者の届出義務違反については、重大な法令違反になることもあり、改めて届出義務の遵守を徹底するよう周知方をお願いしたい。
(3)老人保健の医療費通知について
「老人医療費適正化推進事業の実施要綱」の改正があり、補助用件として、「前年度の4月1日現在の老人医療受給対象者数が千人以上で、原則として医療費通知を年三回以上実施している市町村」との基準が加わった。
(4)社会保険医療担当者に対する個別指導等について
従来行われていた個別指導対象医療機関に対する医師会への学識経験者の立合依頼通知は、個人情報保護法に抵触する恐れがあるため、現時点では一時中止する。現在、関係機関と検討中であり、適切な方法で医師会へ通知できるようにする。
(5)日本医師会認定産業医制度における研修会開催について
4月20日までに申請のあった研修会の案内。6月1日には、ホームページの情報が更新されるのでご参照願いたい。
協議事項
地区医師会からの報告
(1)臨床研修地域医療協力
施設として研修医受入れについて
(東久留米医師会)
(2)禁煙啓発活動の一環としてのポスター掲示について
(東久留米医師会)
(3)介護予防検診への取組みについて
(板橋区医師会)
その他
(1)講演会「子育てのメンタルヘルス−地域で育てる子どもの心−」
(東京都精神保健福祉協議会主催)について
7月14日(木)午後1時半より足立区役所庁舎ホール2階にて開催されるので参加願いたい。
| 役員職務分担 |
| 総務 | 唐澤会長 | 鈴木副会長 |
|
||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 疾病対策 |
|
||||||
| 経理 |
|
||||||
| 学校保健 |
|
||||||
| 地域保健 |
|
||||||
| 病院・防災 |
|
||||||
| 社会保険 | 矢島副会長 |
|
|||||
| 医療安全対策 |
|
||||||
| 医療情報 |
|
||||||
| 医療福祉 |
|
||||||
| 学術教育 |
|
||||||
| 出版・広報 |
|
| 底流 |
営利を追求する企業の規範として社会的責任が重要視されつつあり、医療機関においてもその価値を高めるために参考にすべきところがある。
社会的責任
最近、企業の社会的責任、CSR(Corporate Social Responsibility)ということがいわれるようになった。企業にまつわる多くの不祥事が報道される中、企業は単に利益を追求する組織ではなく、社会に対する責任が企業活動の基本にあるという考え方である。社会から信頼される企業として、優れた製品・サービスの提供、収益の確保は当然であるが、規範の遵守、社員の労働意欲向上、地球環境への配慮、社会活動への参加等、企業価値を高めることが企業の持続的成長につながるという視点である。企業活動のグローバリゼーション、高度情報化社会、地球環境問題などを背景として提唱されたCSRという規範は企業のあり方に大きなパラダイムシフトを起こした。
翻って医療界を眺めれば、医療過誤の報道は、日常、医療の安全や質への社会的要求は極めて高いものがある。医療界はもともと社会性を第一に考えてきたはずであるが、現実は必ずしも責任を果たしていない。どうすれば質の高い医療を提供できるのか、医療機関の社会的責任、(Hospital Social Responsibility・HSR)が問われている。
社会的責任を考えるときにステークホルダー(利害関係者)が対象となる。会社では顧客、株主、取引先、社会、そして社員等に対する真剣な取り組みと、説明責任が求められる。医療機関にとってのステークホルダーは第一に患者さんであり、健康保険組合、製薬会社、取引業者、監督官庁、医師会、従業員などが挙げられよう。
社会的責任のひとつとして患者本位の医療が叫ばれて久しい。それには治療成績やクリニカルパスなどの情報提供、情報開示が必要で、患者さんはそれをもとに医療機関を選択し、医療機関を選ぶ。しかし、全国どこでも同質の医療が受けられる訳ではなく、セカンドオピニオンやITを使った遠隔医療などの充実も、格差軽減に役立つ。医療費が拡大する一途のなかで、医療経済を考慮したシステム作り、予防医学の推進、また、なおざりにされがちな医療廃棄物の環境への悪影響の回避なども社会への責任である。個人情報保護の徹底、医療機関内での不正や過誤の公開と再発防止策の実行も医療機関の評価項目である。そこで働く医師、看護師をはじめとした医療人の労働意欲の向上、スキルアップは医療の質の向上につながる。
医療機関の評判は、社会的責任を果たすことにより与えられるものであり、持続的発展のために維持していかなければならないものである。企業活動と医療は当然異質な面もあり、特に生命を預かるという責任の重さや、医療の持つ不確実性など、企業の原理をそのまま当てはめるわけにはいかないこともあるが、医療界もCSRという考え方を参考に、よりよい医療サービス提供を模索、推進して行かねばならない。
| 医師の関与をアピール |
禁煙活動推進東京大会
「禁煙活動推進東京大会」が5月19日(木)午後3時から日本医師会館大講堂で開催された。
国民の健康を守るために、医療関係者として、「広く禁煙活動を推進する運動を展開して行く」と大会からのアピールが宣言された。
第二回国民医療推進協議会において、日本医師会の「禁煙活動の推進方針」が承認された。日医からの全国規模での禁煙活動の展開要請を踏まえて、また、5月31日がWHOの「世界禁煙デー」であることから、東京都医師会主催による「禁煙活動推進東京大会」が、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会、東京都看護協会、東京都柔道接骨師会の協力で開催された。関係各団体より約350名の参加があった。
内藤裕郎都医理事が司会を務め、始めに大会会長の唐澤祥人都医会長が挨拶に立ち、植松治雄日医会長はじめ来賓各位、本大会の趣旨に賛同した参加者に対し謝意を表し、「国民の健康をまもるために、われわれ医療関係者は今まさに禁煙運動を広く展開して行く時である」と力強く述べた。
来賓挨拶で、植松治雄日医会長・国民医療推進協議会会長は「喫煙の健康被害を厳しく警告し、禁煙を国民運動として展開して行くべきであり、医療関係者は禁煙活動を推進する中核となって禁煙の輪を広げてほしい」と述べた。そのほか、保坂三蔵・中川雅治両参議院議員の挨拶があった。
続いて、鈴木聰男都医副会長の「喫煙の健康被害について」「生活習慣病の改善を」と題して講演があった。「医療関係者は、喫煙の健康被害について助言し指導する立場にあり、禁煙活動を推進する中心的な役割を果たすことができる。喫煙者をはじめ、特に子どもや若者に喫煙の危険性を厳しく警告し、禁煙を強く働きかけて、未成年者の喫煙を防ごう。禁煙・分煙を推進し受動喫煙を防ごう。たばこによる経済的損失は利益よりはるかに大きい」と述べた。
各団体の取り組みとして、神原赳東京都薬剤師会長、吉村知子東京都看護協会専務理事、工藤鉄男東京都柔道接骨師会長がそれぞれの禁煙活動について報告した。
最後に、鈴木聰男都医副会長が「国民の健康を守るためのアピール」六項目を読み上げ、本大会のスローガン「思いやりと責任、それが禁煙です」を「禁煙活動推進東京大会」から医療関係者として禁煙活動を進める決意を宣言した。
矢島暎夫都医副会長が出席者に謝意を述べた。
| 都医執行部 |
緊密な連携に期待
地区医師会長らと懇談
本年4月22日に開催された第251回都医代議員会(臨時)で選出された東京都医師会新役員と東京都地区医師会の会長による懇親会が、5月20日(金)に神田駿河台のホテルで開催された。
同日、本期第一回目の地区医師会長協議会が東京都医師会館で開催され、その席上で、第251回都医代議員会(臨時)で選出された唐澤祥人執行部の新役員(17人)と都医代議員会議長及び副議長の紹介が行われ、併せて地区医師会長全員(58人)の紹介が行われた(そのうち20人が新任会長)。
同会長協議会には、日本医師会から植松治雄会長、櫻井秀也副会長及び野中博常任理事が出席。さらに西島英利参議院議員、武見敬三参議院議員も出席して、上部医師会の立場から、あるいは政治家の立場から、現在の厳しい医療情勢について解説があった。
会長協議会終了後、都医新役員と地区医師会との連携を図って、神田駿河台のホテルに席を移して懇親会が開催された。
はじめに唐澤都医会長が挨拶。少子高齢化社会における厳しい医療事情の中で、都と都医と地区医師会の緊密な連携の重要性を強調、新執行部への協力を要請した。
このあと櫻井日医副会長、野中日医常任理事、武見参議員議員、佐々木健雄前都医会長、遠藤俊一前都医代議員会議長等からお祝いの言葉があった。乾杯の音頭は、新任の柳内嘉代議員会議長が務めた。
| 難病の相談 |
電話:03-3294-8821
日時 毎月第2木曜日15時〜18時
場所 東京都医師会館4F
申込原則として電話予約申込制
(9時30分〜正午)
患者及び家族・地区医師会員・
保健所・福祉関係者(秘密厳守)
費用 無料
| 地区医師会新会長 |
<次号も掲載>
地域医療保健活動の推進へ新たなリーダー
(1)生年月日
(2)最終卒業校
(3)略歴
(4)趣味
(5)好きな言葉
港区医師会長
厚治秀行(あつじひでゆき) 69
(内科) (1)昭和10年7月9日
(2)慶應義塾大学医学部
(3)港区医師会理事、同副会長、都医保険委員会委員、同予備代議員、同代議員、東京都国保団体連合会審査会委員
(4)ゴルフ、クラッシック音楽鑑賞、鉄道
文京区医師会長
飯田晃(いいだあきら) 70
(内科) (1)昭和9年12月13日
(2)東京慈恵会医科大学
(3)文京区医師会副会長、国保審査委員
(4)写真
(5)相手の立場に立って
浅草医師会長
山崎薫(やまざきかおる) 61
(小児科) (1)昭和19年3月8日
(2)昭和大学医学部
(3)浅草医師会理事、同副会長、都医予備代議員、同代議員、東京都社会保険診療報酬支払基金審査委員
(4)ゴルフ、旅行
(5)感謝
足立区医師会長
布川博永(ぬのかわひろなが) 59
(内科・小児科) (1)昭和21年4月22日
(2)北里大学医学部
(3)足立区医師会評議員副委員長、同理事、同副会長、都医予備代議員、同代議員
(4)音楽鑑賞、ゴルフ
葛飾区医師会長
青井禮子(あおいれいこ) 71
(内科・リハ科) (1)昭和8年8月15日
(2)東京医科歯科大学
(3)葛飾区医師会副会長、都医理事、日医常任理事、葛飾区社会福祉協議会理事、東京医科歯科大学医学部臨床教授、同大学院医歯学総合研究科講師
(4)ゴルフ、茶道
(5)初心忘るべからず
渋谷区医師会長
山崎隆夫(やまざきたかお) 56
(内科・小児科) (1)昭和24年4月29日
(2)東京大学医学部
(3)渋谷区医師会理事、同副会長、都医ビル診対策委員会委員、同地域医療推進委員会委員長、同地域福祉委員会委員、同代議員
(4)観劇、旅行、将棋
(5)和して同ぜず
荏原医師会長
天野景明(あまのかげあき) 75
(内科・外科・整形外科) (1)昭和4年11月23日
(2)東京大学医学部
(3)荏原医師会理事、同副会長
(4)ゴルフ
(5)平静な心
大森医師会長
川田彰得(かわたあきのり) 63
(胃腸科・内科・外科) (1)昭和16年9月20日
(2)千葉大学医学部
(3)大森医師会理事、同副会長、都医地域医療推進委員会委員、同編集委員会委員、同代議員
(4)読書
豊島区医師会長
桐野有爾(きりのゆうじ) 62
(内科・循環器科・小児科) (1)昭和17年11月25日
(2)東京慈恵会医科大学
(3)豊島区医師会理事、同副会長、都医学校医会理事
(5)チャレンジイズザ・ベスト
練馬区医師会長
國田正矩(くにたまさのり) 60
(眼科) (1)昭和20年2月20日
(2)金沢大学医学部
(3)練馬区医師会理事、同副会長、東京慈恵会医科大学眼科助教授
(4)テニス
北多摩
医師会長
山本光興(やまもとみつおき) 67
(小児科) (1)昭和12年11月26日
(2)慶應義塾大学医学部
(3)北多摩医師会副会長、都医代議員、日医予備代議員、厚生労働省予防接種研究班班員、予防接種ガイドライン等検討委員会委員、日本小児科学会東京地方会監事
(4)ゴルフ、麻雀、旅行
(5)感謝
武蔵野市医師会長
瀧澤一樹(たきざわいちき) 57
(内科) (1)昭和22年10月3日
(2)日本大学医学部
(3)武蔵野市医師会理事、同副会長
(4)釣り
三鷹市医師会長
角田徹(かくたとおる) 49
(外・内・消化器・小児科) (1)昭和31年1月6日
(2)東京医科大学
(3)三鷹市医師会副会長、都医産業保健委員会委員、同予備代議員、多摩東部地域産業保健センター長、三鷹市役所総合保健センター医療管理者、三鷹市社会福祉事業団理事
(4)登山、マラソン、スキー、将棋
(5)己に克つ、明日は明日の風が吹く
府中市医師会長
田口俊夫(たぐちとしお) 65
(内科・小児科) (1)昭和15年1月11日
(2)北海道大学医学専門部
(3)府中市医師会理事、同副会長、府中市介護認定審査会会長
(4)ゴルフ、釣り、コンピュータ
(5)誠実、和
| 各種委員会答申 |
<次号も掲載>
AED講習会推進
救急委員会
委員長 石原 哲
医療制度改革が加速している今日、救急医療現場での効果的・効率的な医療供給体制の充実が求められている。東京都医師会救急委員会は、東京都、東京消防庁と密なる連携の元、都民が安心できる救急医療体制をめざし体制整備を続けているところである。特に二次救急医療の体制整備・質的向上は、当委員会の中心的な命題として常に検討を重ねてきた活動である。今回、平成15年6月に新たな委員会が発足し、会長諮問事項「東京都の救急医療の充実について」諮問を受け検討に入った。「医師へのACLS教育の具体的方策について」は帝京大学医学部教授の坂本委員に、「精神・身体合併症の対応について」は東京精神病院協会の理事でもある斎藤委員に、「救急車の適正利用について」は、都立豊島病院長の関口委員にそれぞれ取りまとめをお願いし、計19回の委員会を重ね、検証実技研修、アンケート調査集計分析等お骨折り頂いた。また、実技研修会「東京都医師会AED講習会」においては唐澤会長をはじめ理事の先生方の積極的な参加をいただき、地区医師会へ向け説得力のある答申となったものと確信している。この答申書が、単なる答申に終わることなく、さらなる検討の一助となることを期待する。
| 予防接種の問題点 |
公衆衛生委員会
委員長 井上清
医療面での充実において世界に自負するわが国も、最近ではアメリカ等より「麻疹輸出国」と名指しで非難されている。
昨今、予防医学の重要性が叫ばれるなか、国民の予防接種の重要性に対する認識の低さもあり、麻疹に限らず風疹、おたふく、水痘、日本脳炎、インフルエンザ等の接種率も低値を持続している。この現状から、今こそ国民(都民)に対する各種予防接種の普及を真剣に考えねばならぬ時と考える。
今回、当委員会では予防接種率向上の方策を含めた各種予防接種の問題点につき次の六項目をあげ検討し、答申を行った。
(1)各種予防接種の啓発と接種率向上の方策
(2)現行の予防接種体制の再検討と改善
(3)現行ワクチンの再評価と新ワクチンの開発
(4)予防接種施行医師に対する専門知識の周知徹底
(5)ワクチンの安定供給と接種料金
(6)予防接種事故への対応
先進諸外国に比し予防接種に関心の薄いといわれる我が国にあっては、予防接種の有用性を国民(都民)に理解させることが急務である。
そのためには、あらゆる機会とメディアを通じてPRに努めるとともに、医療機関においても入園時、就学時における予防接種の徹底チェックと未接種者への接種奨励を積極的に行うことが重要と考える。
| 災害時の子どもの心 |
精神保健検討委員会
委員長 関谷透
前回に継続した今期の諮問は、災害時における児童生徒のこころに関するもっと具体的緊急体制だった。精神科学校医や専門医に限らず、学校医、地区医師会や教育委員会などにも協力を仰ぎ体制のモデル作成を求めている。
答申には、児童・思春期における精神科医療や専門機関のネットワークづくりの基盤となる児童精神科に携わる先生方へのアンケート調査を試みた。
この調査は、結果として回答率は34.5%に過ぎなかったが、いろいろな機会に活用できる連携機関が身近にある点を明らかにした。また、精神科医自身も、児童精神科への研修をつとめつつ、多職種との連携で対応していた。
加えて、日本小児科医会、東京都精神保健福祉センター、東京都教育相談センターなどと接触した成果で、多方面との精神保健に関する諸機関一覧を追加できた。更に、最近注目されている東京DMATは東京都医師会との関係で、災害発生時には子どものこころの問題への役割を担うことになろう。
近年、災害や子どもをめぐる事件が多発している。今後ともより充実した緊急体制構築のために、関連諸機関とのネットワーク作りを提起して今回の答申とした。
| 都医講堂で百名が参加 |
電子カルテ説明会
「ほっとライン」へ接続可能な電子カルテ八社の説明・デモが5月14日、都医で開かれた。
都医の地域医療連携事業は、東京都福祉保健局のモデル事業と混同される場合が多かった。このため今年度から本会事業は正式に「HOTプロジェクト」と呼ぶこととし、モデル事業は「HOTプロジェクト」のone of themという位置づけとなる。
HOTプロジェクトは現在基礎工事の段階で外から見えない部分が多い質疑に対応する目澤理事が、接続テスト済み電子カルテも増えてきたことから、今回はそれら八社の電子カルテを実際に触ってみられるようなセミナーを企画し、東京都医師会四階講堂に約百名の会員の方々を集め開催された。各社の実機をおいたデモ会場が併設され、自由に電子カルテに触れながら説明を聞くことができた。
モデル事業は当初「対象はモデル地域のみ、共同利用型電子カルテのみ、利用料が補助対象」というかなり狭い枠組みであった。これではとても目的を達成できないということで、二年にわたり根気よく交渉を重ねた結果、今年度より「対象は都内全域、電子カルテの種類を問わない、電子カルテ購入費や通信費が補助対象」と現実的な内容へと大きな進展があった。
「補助金総枠の限度」「病診あるいは診診連携グループとして"ほっとライン"へ接続」などいくつか条件があり、7月31日が申し込み期限(詳細は本会ホームページ参照)。
行政や社会の流れは電子化の方向へ急速に変化しており、また社会の細かい要望へ応えるには電子化せざるを得ない面も多くなりつつある。一般企業においては、コンピュータを使わなければ生き残れない状況になってすでに久しい。このような情勢や、電子カルテもかなり多数の種類が出そろうなど、そろそろ導入を検討されている会員の方々も多いと思われる。
| 趣味の散歩 |
天ぷらと銘酒
江戸川橋
天仙
文京区小石川界隈には数多くの名所旧跡がある。もう過ぎてしまったが桜の季節には、垂れ桜の水戸黄門光圀上屋敷跡の小石川後楽園、小石川療養所の小石川植物園、通称「桜並木」の播磨坂、神田川の川面に映る江戸川公園。その江戸川橋にあるのが天ぷらの「天仙」である。銀座の有名店で修業した早川義信氏が平成元年に店を構え、リーズナブルな値段で、天ぷらファンの舌を堪能させてきたのである。格式ばって気取った店が持て囃される昨今、下町風情で気楽に飲んで食べられる雰囲気を大切に、粋で気さくな大将と、美人で明るいお上さんの人情がお客さんを呼ぶのである。旬の新鮮なネタの揚げたてを食べる。至福である。また、付け出しや小鉢類にも気配りがされており、特に刺身(鮑・鮪など)は寿司屋顔負け。酒は焼酎の品揃えが豊富で、入手困難な幻の一本が信じられない低価で味わえるのが呑んべいにはうれしい限りである。
昼は天丼、定食が1,100円、1,400円から、夜はコースのみで、4,000円から3コース。
お客の姿が見えなくなるまで送ってくれるお上さんの笑顔に、満足感と共に再び来たいと想うのは小生だけではないだろう。東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」1A出口徒歩一分。プラザ江戸川橋地下一階。日曜・祭日(月曜の時)は休み。
電話:03-5261-2751(小石川医・須田均)
| 会長からの一言 |
新宿区医師会
中村靖彦会長
医師会と共に
平成17年3月の役員選挙により、新宿区医師会長に五たびなることとなった。顧みれば、新宿区医師会の庶務理事三期6年、副会長三期6年、会長として四期8年、私の人生は、新宿区医師会と共にあったといっても過言ではない。
私の趣味は、海外旅行、史跡めぐり、美術鑑賞等であるが、その他全ての時間は、医師会活動に費やしている。編集部より医師会事業の紹介になる内容は避けるようにとのことであるが、私の場合どうしても前述したごとく、人生と医師会活動とが一体化しているがゆえに、医師会活動を紹介せざるをえないことを許して頂きたい。
(1)世界一の医療供給体制地域
新宿区医師会員は約800名で、その内の多くは講師経験者である。区内には、東京医科大学、東京女子医科大学、慶応大学医学部の三大学の他に、国立国際医療センター、東京厚生年金病院、社会保険中央病院、大久保病院といった7つの中核病院が存在する。又、以上の病院とは、定期的に会合をもち、病診連携を円滑に行うように心がけている。これらの病院や、非医師会員を考慮すると、新宿区では、約4,000人以上の常勤医師がいることになる。人口30万人(含外国人 2万8,000人)、世帯数は16万世帯で一行政区域において、世界最高の医療供給体制であると思う。
(2)医療のIT化
六年前全国の医師会の中で初めて「先進的情報通信システム」を施行した。その体験をふまえて、今回新たに、会員にとって、一番有益な方法を考えている。現在、携帯電話を用いてQRコードより各医院のホームページにつながるシステムを構築中である。
(3)開かれた広報活動
医師会活動の中で最も欠けている部分は、区民への広報活動である。現在、医師会が主催して、区役所、町内会、各種団体が共催となり、様々な、健康、保健、介護の情報を提供しようと考えている。それにより、医師会と区民がより密接な関係を築けると思う。そのことが医師への理解がより進むと考えている。
(4)医政連活動
国民皆保険制度を守り、混合診療に反対し、規制改革・民間開放推進会議の内容を充分に注意し、今後、国民の健康を守るにはいかに行動すべきかを考えなければならない。あくまで医師会は親睦団体であるが、医政連活動はこれからも積極的に関与していく必要があると思う。
(5)病診連携
前述した通り、区内には七つの基幹病院があり、十余の中小病院がある。今、疾患は自己完結型から地域完結型へ移行しつつある。ここで、病診連携が増々重要となる。それに加え、診診連携も新たに話題となっている。区内では、優秀なA・B会員が多いので円滑な連携が保たれている。さらに、これらの連携をより詳細にする為、IT化の導入を考慮している。私の世代は、医師として比較的、幸せな時代を過ごせたと思うが、今後、医療を取り巻く環境は恐ろしい状況となるであろう。私の一生は、医師会と共にあり、かなりの苦難を経験したが、今では良き思い出となっている。今後、後輩諸子が医師として満足した活動ができるように、全力をつくしていく所存であります。
| 会長からの一言 |
新宿区医師会
中村靖彦会長
医師会と共に
平成17年3月の役員選挙により、新宿区医師会長に五たびなることとなった。顧みれば、新宿区医師会の庶務理事三期6年、副会長三期6年、会長として四期8年、私の人生は、新宿区医師会と共にあったといっても過言ではない。
私の趣味は、海外旅行、史跡めぐり、美術鑑賞等であるが、その他全ての時間は、医師会活動に費やしている。編集部より医師会事業の紹介になる内容は避けるようにとのことであるが、私の場合どうしても前述したごとく、人生と医師会活動とが一体化しているがゆえに、医師会活動を紹介せざるをえないことを許して頂きたい。
(1)世界一の医療供給体制地域
新宿区医師会員は約800名で、その内の多くは講師経験者である。区内には、東京医科大学、東京女子医科大学、慶応大学医学部の三大学の他に、国立国際医療センター、東京厚生年金病院、社会保険中央病院、大久保病院といった7つの中核病院が存在する。又、以上の病院とは、定期的に会合をもち、病診連携を円滑に行うように心がけている。これらの病院や、非医師会員を考慮すると、新宿区では、約4,000人以上の常勤医師がいることになる。人口30万人(含外国人 2万8,000人)、世帯数は16万世帯で一行政区域において、世界最高の医療供給体制であると思う。
(2)医療のIT化
六年前全国の医師会の中で初めて「先進的情報通信システム」を施行した。その体験をふまえて、今回新たに、会員にとって、一番有益な方法を考えている。現在、携帯電話を用いてQRコードより各医院のホームページにつながるシステムを構築中である。
(3)開かれた広報活動
医師会活動の中で最も欠けている部分は、区民への広報活動である。現在、医師会が主催して、区役所、町内会、各種団体が共催となり、様々な、健康、保健、介護の情報を提供しようと考えている。それにより、医師会と区民がより密接な関係を築けると思う。そのことが医師への理解がより進むと考えている。
(4)医政連活動
国民皆保険制度を守り、混合診療に反対し、規制改革・民間開放推進会議の内容を充分に注意し、今後、国民の健康を守るにはいかに行動すべきかを考えなければならない。あくまで医師会は親睦団体であるが、医政連活動はこれからも積極的に関与していく必要があると思う。
(5)病診連携
前述した通り、区内には七つの基幹病院があり、十余の中小病院がある。今、疾患は自己完結型から地域完結型へ移行しつつある。ここで、病診連携が増々重要となる。それに加え、診診連携も新たに話題となっている。区内では、優秀なA・B会員が多いので円滑な連携が保たれている。さらに、これらの連携をより詳細にする為、IT化の導入を考慮している。私の世代は、医師として比較的、幸せな時代を過ごせたと思うが、今後、医療を取り巻く環境は恐ろしい状況となるであろう。私の一生は、医師会と共にあり、かなりの苦難を経験したが、今では良き思い出となっている。今後、後輩諸子が医師として満足した活動ができるように、全力をつくしていく所存であります。
| ベテラン医師訪問 |
温故知新32
海老原勝先生 85歳 葛飾区医
昭和34年から国保運営に関与
大正8年6月24日室蘭で生まれ川崎で育った先生は強運の持ち主である。関東大震災の折、ご家族と恒例の深川不動尊参詣に出かけた四歳の先生がぐずって母上を困らせ仕方なく早めに帰宅し難を逃れたそうである。
中学四年の時虫垂炎の手術を受けているが、数年前に従姉が虫垂炎の手遅れで亡くなっており、これが医学を志すきっかけになった。大学は自宅から通うのが嫌で京都府立医大予科を選び、当時関東地区から京都を目指した変人として扱われたそうである。一浪したお陰で内地勤務のみにて終戦となり、一歩誤ればあの世行きの所を現世に置いてもらったのだからと、医業を通して世に役立ちたいと思うようになったと述懐された。
昭和23年葛飾区柴又にて診療所開設。多くの諸先輩より医師の本分、医師会人として如何にあるべきかの教示を受けた。
昭和32年に国保が誕生。担当理事として区長や初代国保課長と折衝に奔走した。国保運営協議会に昭和34年の第一回から現在まで出席しているのは先生だけである。
副会長時代に休日診療所開設に尽力され、出務に煮え切らない先生方に痺れを切らし「お受けくださるのか駄目なのか、如何に」とさながら歌舞伎役者の様に詰め寄られたとのこと。医師会長時代には医師会創立二十五周年記念という大行事を開催された。また、附属看護学校の専門学校指定取得にも尽力された。
俗に他人の痛みは百年でも可とあるが、我々医師はそうは行かぬ。吾身をつねって他人の痛さを知れだ。先生はその点身をもって体験済みである。左腎結石の手術歴があり、腰椎管狭窄は手強く、ラミネクトミーを受け、二〜三ヵ月もすれば社会復帰できますと言われたが、20数年後の今もまだまだ悩まされている。加えて趣味の一つの庭木の手入れの最中、脚立から転落し第三腰椎圧迫骨折し泣きっ面に蜂の始末。学生時代京都学生馬術連盟で優勝した程の乗馬で鍛えた身体も室内の楽しみに切り替えられた。京都で始めた茶道お裏は正座が続かず退散。
難しい事は抜きで良いと言われて川柳に取り組まれているが、何とか続きそうとのことで、医師会趣味の会に投じた作品から
今想い今を忘れる
人を診る
(葛飾区医・野村明子)
| 掲示板 |
読体術
仙頭 正四郎著
(小石川医師会)
著者は漢方治療を主として行う開業医である。
東洋医学の「未病(病気が本格的に発症する前の状態)」の段階でその元を解決してしまうという考えを元にして一般向けに書かれている。
自分の体の中に備わっている、体の元気の仕組みを呼び起こすために、個々の体質を判別し、どのような病気に罹りやすいか、罹らないための養生術、そして罹ったときの対処法が八タイプの体質に分けて書かれている。
また健康のおおもとは生活の中にありと考え、四季折々の日常生活での注意や食事、食材についても言及してある。
己(体)を知り自然の摂理に基づいて生活することにより病気を防ぎ、健康体であることを願う書である。
先ずは第一章の「体質判別チャート」で自分の体質を知ることから始めることで読者を引き込んでゆく。
| 知ってますか? |
マイクロメタ(マイクロメタシス微小転移)
癌の予後判定因子に病理学的な深達度とリンパ節の転移レベルと転移個数とが重要視されてきた。しかし、通常の組織学的手法でリンパ節転移陰性で根治手術とされたが再発をきたす症例もあり予後判定において論議されてきた。PCR法をもちいた分子生物学的手法や免疫組織学的法等で検出される一から数個の癌細胞のマイクロメタが注目され、さらに転移のメカニズムの解明という点からも重要視されている。
| 談話室 |
各地区会報から
F. サガンの死と大統領の知的対応
大森医 松川純一
平成16年9月25日、フランスのメディアは、前日に亡くなったフランソワーズ・サガンの追悼報道であふれました。
彼女の訃報に接した私達は自分の上を通過した50年を思い、サガンにも同じだけの時が流れていたことに改めて気づくのです。追悼報道では、優雅、繊細、洗練、才気換発、孤独、倦怠、諧謔といったパリ的なものを象徴していた作家の死によって、今、つくづくと実感されるフランス的なものの消滅に対する弔鐘を感じざるをえません。
サガンが十八歳で書いた処女作『悲しみよこんにちわ』が発表された1954年から丁度半世紀。欧州は今、統合による憲法の批准の是非をめぐる論議も盛んなら、グローバル化や益々強まる米国の一国主義の前で、不安や無力感に苛まされています。フランスは米文化の席巻を警戒して、「文化的創造の保護権利」を国際協定で規制すべきだと訴えていますが、米国は映画や音楽部門での自由流通の妨げになるとして反対しています。しかし協定で保護したところで、仏文化の衰退を阻止できそうにありません。
1954年8月、『悲しみよこんにちわ』が刊行された時、サガンは十九歳一ヵ月でした。その前年彼女はソルボンヌ大学の学年末試験でひどい成績だったそうです。大人に交じってカフェに入り浸り、全く勉強しなかったから当然の結果だったそうですが、失望を隠せぬ両親への面目を回復するために、ひと夏かけてこの250枚ほどの小説を書きあげました。ベストセラー小説の常として時代と添い寝をし、フランスのみならず第二次世界大戦後の二十世紀という新しい時代を描いています。男女平等や、結婚という制約を離れた自由恋愛の時代です。彼女の簡潔で快活な文体の行間には、フランスがフランスらしく、パリがパリらしかった時代の香りが漂っています。サンジェルマン・デ・プレ界隈には独特の文化が生まれ、それが世界中に発信された時代で、彼女は最後の実存主義者と言っても良いでしょう。戦後日本人が造形したフランスのイメージは彼女に負うところが多く、アンニュイ、バカンス、小悪魔などの言葉が一般化したのはサガンの影響です。
小説の主人公はセシルという名前で、短く刈り込んだ男の子のような髪形"セシルカット"は、いしだあゆみや九重佑美子に踏襲され、"小悪魔"は若き加賀まり子が体現したように思います。ザ・ピーナッツの名曲「恋のバカンス」は『悲しみよこんにちわ』の発展的翻訳と言われました。
サガンは年をとるのが下手でした。小説では『ある微笑、ブラームスはお好き』のあとは次第に自己模倣の気配を帯び、いつもアンニュイでは飽きがくるし、時代も彼女を置き去りにして大きく変ってゆきました。彼女の死因は肺塞栓と伝えられました。「アルコールは孤独な時」、「コカインは疲れないため」、「ヘロインは忘れるため」と言っていましたが、何に疲れ、何を忘れたかったのでしょう。フランス人は「早熟という不幸」を背負い、スポーツカーで疾走するように二十世紀を生き急いだサガンに、自分達の不安を重ねて哀惜しているようにみえます。
シラク大統領は亡くなったサガンに、「現代フランス文学の傑出した人物、フランスでの女性の地位発展に貢献した」と讃える哀悼の辞を捧げました。フランスでは偉大な芸術家や他の分野の傑出した人物の死去の知らせが伝えられると、大統領府エリゼ宮、首相、文化相らは声明や談話を発表するのが慣例となっています。演説草稿や声明文作成の担当者がおり、重要原稿はもとより、短い哀惜の辞にも、どれだけ知性と教養とセンスあふれる言葉を盛り込むことが出来るかも、国家元首の重要条件です。
画家のパルテエスには「二十世紀で最も傑出した芸術家の一人、日本の文化に影響を受けたこと、奥深くて鋭敏な人柄」と行き届いた賛辞を捧げました。国民的歌手シャルル・トレネの時は「ラ・メールなど約一千曲を残した言葉の魔術師」、といった具合です。
我国はどうでしょうか。一世を風靡した歌手、映画俳優や監督が亡くなって国民が哀惜の念にかられている時、首相官邸は首相の公式声明を発表するでしょうか。文化庁長官が一般参列者に交じって、葬儀に参列したことがあるでしょうか。日本では、選挙運動の延長ぐらいにしか思われないでしょうが、先の通信相・文化相等の涙の澄んだ目差しに、文化国家フランスの良き伝統を見ることができ、この国の人々はつくづく幸せだなあと感じました。
ちなみに日本の首相官邸が哀惜の辞を発表するとしたら、黒沢明監督には「世界の多くの映画人が、彼の迫力ある映像に測り知れない影響を受けた」、美空ひばりには「すばらしい歌唱力で演歌の真髄を歌い続け、敗戦後のすさんだ国民に生きる希望を与えた」とでもなるのでしょうか。
(大森医師会報第93号から抜粋)
| 日本医師会認定産業医制度における研修会開催案内 |
| 名称及び主催 | 「西多摩医師会産業医研修会」西多摩医師会・東京都医師会共催 | 「平成17年度労働衛生研修会」日本労働安全衛生コンサルタント会 |
|---|---|---|
| 日時 | H17.7.23(土)PM1:00〜PM6:15 | H17.8.7(日)AM 10:00〜PM 4:45 |
| 会場 | 青梅市立総合病院(青梅市東青梅4-16-5)電話:0428-22-3191 | 女性と仕事の未来館ホール(港区芝5-35-3)電話:03-5444-4152 |
| 定員・受講料 | 150名(非会員の受講可/事前徴収)東京都医師会員8,000円道府県医師会員10,000円非医師会員12,000円 | 220名(非会員の受講可/事前徴収)日本労働安全衛生コンサルタント会員9,500円非会員18,500円 |
| 申込方法 | 研修会事務局へ所定の申込書を郵送。 | 所定の払込通知書通信欄に所定事項を記載して申込む。 |
| 申込先・申込締切 | 西多摩医師会産業医研修会事務局〒160-0011新宿区若葉2-5-16向井ビル3F(株)ヒューマン・リサーチ内 電話:03-3358-5360FAX:03-3358-4002申込締切日平成17年7月8日(金) | 日本労働安全衛生コンサルタント会〒108-0014港区芝4-4-5三田労働基準協会ビル5F電話:03-3453-7935FAX:03-3453-9647申込締切日平成17年7月22日(金) |
| 研修単位 | 非認定産業医は基礎研修(実地)3単位(後期)2単位認定産業医は生涯研修(更新)1単位(実地)3単位(専門)1単位 | 認定産業医は生涯研修(更新)1単位(専門)4単位注意:非認定産業医は研修単位になりません。 |
| 研修内容 | (1)講演「職場のメンタルヘルス」(2)講演「個人情報保護法と健康情報の取扱い」(3)実地「THP活動(食生活習慣チェックと指導ポイント)」(4)実地「作業環境測定」(5)実地「作業環境改善対策(プッシュプル一様流>換気を用いた実習)」 | (1)講演「労働衛生行政の重点」(2)講演「産業保健の費用対効果」(3)講演「海外衛生情報の動向」(4)講演「特別衛生診断の事例研究」 |
(2)上記の都内の情報については、東京都医師会のホームページ(http://www.tokyo.med.or.jp)にてご覧になれます。また、新しい情報は、偶数月の1日に更新されます。
| 感染症 |
豆知識
東京都医師会感染症予防検討委員会
Q熱
Q熱はリケッチアの一種コクシエラ・バーネテイの感染によって起こる。オーストラリアで発見されて以来世界中で患者が報告されている。病原体は多くの動物、ダニに感染しており動物の尿、糞、乳汁に排泄される。ヒトへの感染源は主に家畜やペット動物である。感染動物は不顕性感染で症状のないことが多い。胎盤で増殖し易く、牛や羊の胎盤や羊水からヒトに集団感染したり、出産時の猫からヒトに感染することがある。ヒトからヒトへはほとんど感染しない。わが国では1988年カナダで感染し帰国後発病した患者が最初の症例で、1999年から始まった感染症法の届出により、毎年数十人の患者が報告される。症状は急性型と慢性型に分けられる。急性型は潜伏期が2〜3週間で、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、呼吸器症状などを示すが、臨床像は多彩で肺炎が主症状のもの、肝炎が主なものなど様々である。検査所見ではCRP、GOT、GPTの上昇、血小板の減少、貧血などが見られる。2〜10%は心内膜炎を主徴とする慢性型に移行する。急性期から回復後、不眠、倦怠感、関節痛などが数ヵ月〜数年持続することがある。Q熱に特徴的な症状・所見に乏しいため、他の呼吸器感染症や心内膜炎と鑑別することは難しい。診断は疫学的な背景と病原体(コクシエラ・バーネテイ)に対する特異抗体の検出か急性期の血液からのPCR法による遺伝子の検出による。治療はテロラサイクリンとクロラムフェニコールが有効で、発症から3日以内に投与開始し2〜3週間続けるのが最も効果がある。
(文責・関根大正)
| 生活習慣病をテーマに |
日本大学夏季医学講座
◆日時・7月25日(月)〜28日(木)19時〜21時◆場所・日本大学医学部リサーチセンターホール
◆テーマ「生活習慣病における最近の知見」
◆内容・[25日](1)「糖尿病の診断と治療」林洋一(糖尿病代謝内科部門講師)(2)「脂肪肝」森山光彦(消化器内科部門助教授)[26日](1)「閉塞性動脈硬化症、腹部大動脈瘤の外科治療」前田英明(心臓血管外科部門講師)(2)「冠動脈疾患」塩野元美(心臓血管外科部門助教授)[27日](1)「小児の肥満」岡田知雄(小児科助教授)(2)「小
児糖尿病の最近の話題」浦上達彦(小児科講師)
[28日](1)「生活習慣病としての高血圧」久代登志男(循環器内科部門助教授)(2)「生活習慣病遺伝子解析の現状」相馬正義(腎臓内分泌内科部門講師)
◆定員・各40名◆参加費・3,000円(テキスト代・当日徴収)◆申込方法・郵便番号、住所、氏名、出身校、電話番号を明記の上、郵送またはFAXにて7月20日(水)までにお申し込み下さい。
◆申込、問合先・日本大学医師会(〒173-8610板橋区大谷口上町30-1日本大学医学部内 電話:03-3972-8111(内
線2183)FAX:03-5995-8107)
| 高血圧治療のあり方 |
高血圧学会セミナー
◆日時・平成17年7月9日(土)16時〜
◆場所・ウェスティンホテル東京(目黒区三田1-4-1電話:03-5423-7000交通、JR山手線・埼京線「恵比寿駅」東口より「恵比寿スカイウォーク」で約7分)
◆講演・「高血圧治療ガイドライン2004改正ポイントと期待する役割」「シンポジウム−各ミニ講演後討議・メタボリックシンドロームへの対策」「腎保護への対策」「脳卒中予防への対策」
◆申し込み・当日来場ください
◆参加費・無料
◆単位取得・日医生涯教育制度5単位
◆問い合わせ先・日本高血圧学会事務局(東京都文京区本郷3-13-15 4階03-6801-9787E-mail:office@jpnsh.org)
都医会員の先生方が書かれた著書を都医ニュースでご紹介します。
都医広報課までお送り下さい。
| 公益信託武見記念生存科学研究基金 |
平成17年度「武見記念賞」
「生存科学研究武見奨励賞」受賞候補者
◆趣旨:故武見太郎先生が創造した生存科学の普及・発展を図ることを目的に、生存科学とその関連分野で顕著な業績をあげた研究者または実践者を顕彰して、その業績を称える。
◆賞の種類:
●「武見記念賞」
顕著な業績をあげた概ね60歳以上の研究者または実践者を対象とする。受賞候補者は推薦方式で募集。
●「生存科学研究武見奨励賞」
顕著な業績をあげつつある研究者または実践者を対象とする。受賞候補者は自薦方式により募集。
◆受賞者数・賞金額:2名。賞金は1人50万円。
◆受付期間:7月1日〜8月31日
◆選考結果の通知:受賞者が決定した場合には、10月末日までに推薦者、受賞者、ならびに申請者に通知する。
◆問い合わせ先:中央三井信託銀行株式会社本店 法人営業第二部公益信託課(〒105-8574東京都港区芝3-33-1
)電話:03-5232-8911(担当:しま)URL:http://www.chuomitsui.co.jp/koueki/ktopm.html
| 無声拝聴 |
身障者の生活習慣病
区内の通所型身心障者施設である福祉作業所で利用者の健康管理および保健衛生の為に嘱託医として通っている。
ここに通所している人たちは年々高齢化しており、当然のように多くが何らかの生活習慣病を持つようになった。
生活習慣病とは言え、多くはかかりつけ医を持たない彼らにはその意識も無く、また「自己責任」とも言えないだろう。
彼らが高齢化しているということは両親はもっと高齢化しており、自立して生活ができないことが多い通所者にとっては大問題である。
継続して服薬加療が必要と思われる者も、服薬を経済的理由で中断しているケースが多々ある。私が就任して直ぐにそのことが原因で亡くなられた方もいる。
それまで行われていなかった検尿を実施してみても精査が必要と思われるケースも数名いたものの経済的理由で精査の実施には至っていない。
無料で受けられる区の成人病検診を勧めてみたが、保護者の時間的都合でままならない。
勝手に心電計を持ち込んだり、採血をするわけにもゆかない。
またインフルエンザの予防接種も実施したいのだがこれもままならない。
該当者もいる高齢者検診を待っていたのでは遅くなると思い、区議に相談をしてみたもののなかなか思うように事が運ばないものである。
本当の弱者のために生活保護、マル福その他何とかならないものだろうかと思うこの頃である。
(永井)
| エイズ情報 |
| (1) | 全国・東京都エイズ患者数 |
注:凝固因子製剤による患者・感染者は除く ()内数値は外国人の数。 |
性別 |
新報告数(H17・1/3〜4/3) |
累積報告数(H17・4/3現在) |
||
|---|---|---|---|---|
全国 |
東京 |
全国 |
東京 |
|
男性 |
73(8) |
22(2) |
2,882(539) |
921(148) |
女性 |
6(3) |
1(0) |
454(262) |
93(51) |
計 |
79(11) |
23(2) |
3,336(801) |
1,014(199) |
| (2) | 全国・東京都患者・感染者数 |
性別 |
新報告数(H17・1/3〜4/3) |
累積報告数(H17・4/3現在) |
||
|---|---|---|---|---|
全国 |
東京 |
全国 |
東京 |
|
男性 |
261(21) |
92(5) |
7,932(1,270) |
3,152(448) |
女性 |
25(12) |
5(1) |
2,138(1,436) |
466(273) |
計 |
286(33) |
97(6) |
10,070(2,706) |
3,618(721) |
| (3) | 都保健所・都立病院・南新宿検査相談室 |
平成17年 |
|||||
|---|---|---|---|---|---|
1月 |
2月 |
3月 |
|||
| 保健所等 | 東京都 | 男性 |
185 |
185 |
156 |
女性 |
98 |
112 |
83 |
||
小計 |
283 |
297 |
239 |
||
| 特別区 | 男性 |
431 |
389 |
370 |
|
女性 |
214 |
243 |
217 |
||
小計 |
645 |
632 |
587 |
||
| 南新宿検査・相談室 (夜間検査) |
男性 |
799 |
619 |
623 |
|
女性 |
301 |
258 |
232 |
||
小計 |
1,100 |
877 |
855 |
||
| 都立病院 | 男性 |
45 |
24 |
18 |
|
女性 |
9 |
12 |
14 |
||
小計 |
54 |
36 |
32 |
||
| 検査件数合計 | 男性 |
1,460 |
1,217 |
1,167 |
|
女性 |
622 |
625 |
546 |
||
小計 |
2,082 |
1,842 |
1,713 |
||
| うち陽性者数 | 17 |
11 |
10 |
||
エイズ検査・相談
日時
月〜金曜日 午後3時〜8時
土・日 午後1時〜5時
場所
東京都南新宿検査・相談室
渋谷区代々木2-7-8東京南新宿ビル3F
申込
原則として電話予約
月〜金午後3時30分〜7時
土・日午後1時〜4時30分
電話:03-3377-0811【秘密厳守】
費用
無料
| 日本医師会生涯教育講座 |
日時 平成17年7月28日(木)
午後1時00分〜4時30分
場所 新宿明治安田生命ホール
[新宿区西新宿1-9-1電話:03-3342-6705]
講演 午後1時30分〜4時30分
睡眠時無呼吸症候群
座長 東京都医師会理事 上出良一
千葉大学大学院医学研究院 加齢呼吸病態制御学助教授 巽 浩一郎先生
虎の門病院睡眠センター長 成井浩司先生
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の病態と治療 巽浩一郎先生
肥満症は肥満に起因する病態が存在して、医学的に減量を要するものであるが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群はその一つである。日本人は軽度の肥満でも睡眠時無呼吸症候群を合併しやすい。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時の呼吸異常に起因する病態が存在して、医学的に治療を要するものであるが、肥満の治療により病態の改善が得られる。BMIで評価した肥満の程度と閉塞型睡眠時無呼吸症候群の重症度を表した無呼吸低呼吸指数、睡眠時低酸素血症の程度にはある程度の相関関係が認められる。減量療法は閉塞型睡眠時無呼吸症候群の基本的治療であり、それにより病態の改善が得られる。漢方薬である防風通聖散は熱産生を増加させることにより食事療法・運動療法と共に服用することにより、減量療法に効果がある。
睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患 成井浩司先生
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)に合併する心血管疾患は予後を規定する因子である。これまで、SASは肥満など心血管疾患のハイリスク患者に合併しやすい病態として認識されてきた。しかし、近年、SAS自体が心血管疾患の発症および進行に直接的に関与することも明らかにされ、心血管疾患に対する治療としてSASを治療するという認識がもたれるようになってきている。SASは睡眠中の気道閉塞によって無呼吸となる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と、中枢性からの呼吸ドライブが消失する中枢性睡眠時無呼吸(CSA)とに大別される。OSAは高血圧、不整脈、心不全などの発症と悪化に影響し、CSAは心不全に合併する。慢性心不全患者の30〜50%に合併するチェーンストークス呼吸には、CPAP、bilevel PAPなどの陽圧治療と酸素療法の有効性が報告されている。今回SASを合併した心血管疾患に対する陽圧呼吸療法の効果を報告する。
東京都医師会主催による日本医師会生涯教育講座開催案内状に代え、本要旨をもって告知板とします。当日は筆記用具等をご持参のうえ、多数ご出席ご聴講ください。
お知らせ
本講座は、日本内科学会が制度化している認定内科専門医の更新に必要な単位を取得できる講習会に指定を受けました。
内科学会所属以外の医師会員の方々もこの講座に自由に出席参加ができます。
受講された方には、学会提出用の参加証のほか生涯教育受講・学習記録用の参加証シール(5単位)が併せて交付されます。
学術映画 午後1時00分〜1時30分
『胃排出機能とリラクゼーション』
監修:大阪市立大学名誉教授
小林絢三先生
共催 東京都医師会
株式会社ツムラ
